■■■「悪夢男」■■■
(40点/スラッシャーホラー)
子供にに恵まれないエレンは、『子宝を授かる効果がある』といういわれのあるアフリカの『まじないの仮面』を通販で手に入れるが、その日から『まじないの仮面』とソックリの顔の怪人『悪夢男』に襲われるという、奇妙な悪夢に悩まされるようになる。
夫のビルは、悪夢のせいで心身を衰弱した彼女に精神科医の診断を受ける事を薦めるが、病院へと向かう途中の人気の無い森の中で車がガス欠で停車して立往生しまう。
夫のベンは彼女を残して助けを呼びに向かうが、何時までたっても夫は戻らずに、森の中で一人きりになった彼女の元に『悪夢男』が再び姿を現す。
果たして『悪夢男』は、本当に彼女の妄想の産物なのであろうか…
悪夢の中から現れた怪人に若い女性が襲われるという、サイコスリラー風のスラッシャーホラー映画。
悪夢の中から怪人が現れるというと、やはりホラーファン的には「エルム街の悪夢」を連想してしまうのですが、本作は別に『夢の中で殺されたら現実でも死んでしまう』とかって設定がある訳でも無いので、あまりイメージは被らない印象です。
全体的に非常にチープな作りの作品で、特に序盤~中盤の展開がグテグテな上に物凄くダルい展開。
『無意味なお色気シーン』があったり、『全く迫力の無い襲撃シーン』や『ショボい残虐シーン』と、どうにもダメな雰囲気を漂わせる内容で、オマケに『オチがみえみえのサスペンス要素』まであって、コリャ駄目だな…って思いながら観ていたのですが…
後半~終盤にかけて、唐突に意表を突くパワフルな展開になって、コレが意外にも割と面白かったりするから困り者。
いや、やっぱ映画はキチンと最後まで観ないとダメですな。
とんでもないクズを掴まされたかと諦めていましたが、最終的にはそこそこ楽しめる内容でした。
…と言っても、まあ『物語前半のダルさも大概のもの』なので、それを我慢してまで観るほどの作品かと言われれば微妙な所で、総合的にやっぱり『微妙な作品』である事には変わりは無いんですけどね。
ストーリーのプロットとかは悪く無いと思うので、物語の前半がもう少しマトモに緊張感ある展開に仕上がってれば、そこそこ面白い作品になったと思うので、ちょっと惜しい部分ではありますね。
アイデアだけは良いんだけど、総合力で損をしている印象かなぁ?
総評としましては、パッケージのイメージどおりの『アレ(Z級)な感じの作品』ではありますが、逆に『期待をせずに観ればそこそこ楽しめるかな?』ってレベルの作品だとは言えるでしょう。
「エルム街の悪夢」みたいなノリを期待してると、あまりにもノリが違ってハッキリ言って肩透かしも良い所だと思いますので、そういう方面は期待しないようにしましょう。
個人的には『良い意味でも悪い意味でも期待を裏切られた作品』って感じの一本でした。