■■■「悪魔の毒々バーガー ~添加物100%~」■■■
(25点/モンスター)
医師のジェイソンは、再婚を前提に付き合っている恋人のモニカと 娘のエイミー、そしてその恋人のブレイクと共に、車での旅行の途中でアメリカ南部の小さな田舎町へと立ち寄る。
しかし、その晩に立ち寄ったレストランで『客が次々にゾンビになって暴れだす』という怪事件が発生。
彼らはレストランから脱出しようとするが、既に町のいたるところがゾンビだらけになっており、店員たちと共にレストランへと閉じ込められてしまうのだった。
医師のジェイソンは、事件の解決の為に『客達が何故ゾンビになってしまったのか』を突き止めようとするが、ゾンビになった人達の共通点は『近所の農場で育てられた牛肉のハンバーガーを食べていた事』だと気づき…
『化学薬品付けにされた餌で育てられた牛肉のハンバーガー』を食べた人間が、ゾンビになって他の人間を襲うというモンスターホラー映画。
以前に紹介したGAGAの「G-CORE」ブランドで、新規に『毒々シリーズ』の一本としてリリースされた作品です。
過去に「ミート・オブ・ザ・デッド」という、『牛がゾンビになって人間を襲う』という作品がありましたが、本作もまあ『狂牛病』が元ネタと言いますか…『食の安全性』みたいな物を元ネタとしたホラー映画ですね。
しかし、今回は『牛がゾンビになる』のでは無くて『牛肉そのものがゾンビになる』という、何とも荒唐無稽な設定です。
『ハンバーグのパティ(焼く前の生肉)』や『切り落とし肉』が人間に襲い掛かってくるという無茶苦茶な設定で、予告だけを観ると結構面白そうに感じたのですが…
蓋を開けてみると、なんとも微妙な感じの作品ですな。
一応、『毒々シリーズ』のタイトルを冠しているだけあって、ジャンル的にはコメディホラーになっているのですが、何と言いますか『ギャグのセンスが微妙』で、『ギャグが寒い』とか言うよりも『笑わせようとしているんだか何なんだか良く分からない』という、どうにも対応に困るようなネタが多い。
メインキャラっぽい人物とかが何の盛り上がりもなくアッサリと殺されたりして、ネタなんだか何なのか判然としない『えっ、ココでそういう展開なの?』というシーンが多くて、監督の狙っている方向性が良く分からないんですよね。
ホラーとしても妙に中途半端で、怖がらせようという風でも無く過激な描写で悪ノリしてる訳でも無くで、どちらの方向にもいま一歩のめり込めませんし、お馬鹿方面を狙うなら狙うで、もっと突き抜けたバカっぷりを見せて欲しかったです。
狙ってる方向性は何となく分からなくは無いんですが、全体的に『センスが微妙』なのが最大の問題かなぁ…
笑うべき所なのか何なのか良く分からない中途半端なネタが連発されるので、何か妙に『乾いた笑い』しか出てこないんですよね。
後半の展開もグテグテすぎて『もうどうでもいいや…』って感じでしたし、正直言って90分間早送りせずに観るのがちょっと苦痛でした。
総評としましては、何と言いますか『悪い方向にB級なホラー映画』といった感じでしょうか…
『毒々シリーズ』らしくB級で低予算なホラーコメディではあるのですが、ネタとしてのお馬鹿度も低くて『毒々シリーズ』らしさも薄いですし、内容がどう考えても『タイトルにインパクト負けしている』のは困ったものですよ。
予告編でのインパクトが本作の最大の見所だと思うので、『予告編だけ観て満足しておく』のが本作の正しい楽しみ方かもしれません。