■■■「ギリシャ・ゾンビ」■■■
(40点/モンスターホラー)
街外れの未発見の洞窟に調査に入った3人の考古学者の面々は、洞窟の中で得体の知れない何者かに襲われ意識を失うが、命からがら逃げ帰ってくる。
しかし、その際に何者かによって正体不明の何か「感染」させられた彼らは、街中で唐突にゾンビに変身し、周囲の人達に無差別に襲い掛かっていく。
彼らに襲われた人間は次々とゾンビと化して「感染」は瞬く間に街中に広がり、爆発的な「感染」を逃れた人々は、何とかしてゾンビの巣窟となった街から脱出しようと試みるが…
なんともストレートなタイトルそのまんまですが、2005年にギリシャで製作されたギリシャ版ゾンビ映画です。
パッケージや本編では『ウィルス感染』みたいな感じの事を言ってますが、原題の「TO KAKO」ってのは確か『邪悪/悪霊』とかって意味だったと思うので、設定的には「死霊のはらわた」的な印象(悪霊乗っ取り型)が近いかも?
いわゆる感染型ゾンビ映画の中でも、噛まれた人間が『5秒とかからずにゾンビと化していく』ので、かなり手が付けられないのが特徴ですね。
お話の本編の方は、何となく『80年代ホラー』を彷彿とさせるような内容です。
なんと言うか特撮は物凄いチープなんだけど、内容は矢鱈と過激という感じ…
頭を吹き飛ばしたり、胴体を切断したりというゴア表現がアリアリですが、今の特撮のレベルから言うと目茶目茶ショボくて作り物なのが丸分かりなので、怖さは全くありません。
監督の『ゴア映画を作りたかったんだ!!』という気合だけは伝わって来るのでなかなか爽快感もあるし、過激な表現の『やりすぎ』っぷりが笑わせてくれます。
ただ、ストーリーの方は『あって無いも同然』みたいな感じで、生き残った人たちがひたすらゾンビと闘いながら逃げ回るというだけで、中身の全く無い映画ですね。
いわゆるロメロの「リビングデッド」シリーズを、何の解説も無く唐突に2作目(「ドーン・オブ・ザ・デッド」)だけ見せられたみたいな感じ?
アクションシーンが多くて作品のテンポは良いのですが、アクションシーン以外でのキャラの描き込みが薄くてドラマ性も殆ど無いので、アクションシーン以外はちょっと退屈です。
正直言って、観終わった後に何も心に残らないような内容の作品ですが、絶望感ただようラストシーンは結構印象的で良かったかな?
総評としましては『良い意味でも悪い意味でも中身の無い作品』で、何と言うか『古臭い』というか『古き良き時代のスプラッタホラー映画』と言った感じの一本ですね。
何も考えずに『過激な内容』をストレートに楽しむ分には良いですが、『それ以上の物』を求めるとちょっと辛い内容かも?
ゴア映画の黎明期の『中身の無いゴア映画』が楽しめる人なら、そこそこ普通に楽しめるんじゃ無いかと思うので、そういうノリの作品が好きならば観ておいても損は無いんじゃないでしょうか…
あとどうでも良いですが、オマケに入っていた短編映画がシュールすぎて『どうしたものか…』という感じで笑えました。
本編も、これぐらいシュールな要素があれば良かったのに…