NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「クライシス」(60点/パニック:結構オススメ)

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■■■「クライシス」■■■
(60点/パニック:結構オススメ)

 ロサンゼルス市街で暮らすブラッドとレクシーの夫妻。

 ミュージシャンであるブラッドはレクシーを会社へと送り出した後に、自宅で電気屋の到着を待って留守番をしていると、ロザンゼルスの各地で複数の爆弾が同時に爆発するというテロが発生したというニュースが報道される。

 妻の身を案じた彼は何とかして彼女と連絡を取ろうとするが、回線混雑の為に電話等は一切つながらず、ダウンタウンまで彼女を迎えに行こうとする。

 しかし街は既に大パニックに陥っており、道路は警官隊によって封鎖され、現場へと近づくのもままならない状況。

 やがて、爆発物の中に含まれていた致死性のウィルスを含んだ『死の灰』が街中に降りはじめ、政府からは『自宅の窓やドアに目張りをして一切外出しないように』との戒厳令が敷かれるのだった…


 大都市を舞台にした生物化学テロの恐怖を描いた、ディザスターパニック映画。

 タイトルがあんまりにもストレートで捻りが無いので『どうよ?』と思いつつ観たのですが、なかなかどうしてコレが結構な掘り出し物でした。

 基本的には『生物化学テロに巻き込まれた一組の夫婦』の視点を中心に物語が展開するのですが、この序盤の『爆弾テロ』のシーンの展開が恐ろしいほどにリアリティがあり、ある意味で物凄く怖い。

 別に残酷なシーンとかが描写される訳じゃ無いのですが、ホントに『明日にでも実際に起こりそうな現実』として描かれており、物語に物凄く緊張感があります。

 事件によって隔離されてしまった夫婦の焦りと、先の見えない不安や恐怖が上手く表現されており、ホントに序盤の60分ぐらいは愁眉の出来です。

 ただ、お話の方も中盤までは先の読めない展開で非常に面白いのですが、映画内での視点が一組の夫婦に閉じられており、内容も会話劇が中心なので途中からややダレてくるのは難点ですかね?

 あと、終盤の展開は『救いの無いオチ』なのが容易に読めてしまうため、観ててちょっと
(心情的に)辛くなる部分も…(まあラストシーンは、ちょっと予想を裏切る『意外な展開』ではありましたが…)

 非常に面白い作品だったのですが、全体的に『もうちょっとだけお話の世界に広がりがあれば、更に面白くなった』と思うので、その点はちょっと残念な部分ですね。

 ここまで閉じられた世界が舞台だと、お話に広がりが無さ過ぎて流石に終盤がちょっと退屈でした。

 低予算映画っぽいので予算的に厳しかったのかもしれませんが、もうちょっと外界の様子が分かる手段がある等の表現があれば良かったかも?

 でも、『得体のしれない恐怖』やらのシチュエーションの見せ方は、全体的に非常に上手いと思いました。


 総評としましては、低予算ながらもなかなか良く出来た『佳作レベルのディザスターパニック映画』だと思います。

 若干「シチュエーションスリラー」的な要素もあってクセのある内容ですが、パニック映画ものが好きな人ならば、普通に観ておいて損は無い一本だと言えるでしょう。

 こういうジャンルものの作品が好きならば、なかなかオススメ出来る作品だと思いますよ。