■■■「片腕マシンガール」■■■
(55点/アクション)
幼くして両親を失い弟と2人で暮らす女子高生のアミは、ある日、何者かによって弟のユウを惨殺されてしまう
弟の残したメモから犯人が街の不良グループであると知った彼女は、復讐のために不良グループの面々を殺害して廻るが、不良グループのリーダーであるショウはヤクザの息子であり、彼の家へと乗り込んだアミは、逆にヤクザの手によって捉えられる。
ヤクザの拷問により片腕を失いながらもなんとか脱出した彼女は、失くした片腕の代わりにマシンガンを装着し、ヤクザ達への復讐を誓うのだった…
片腕にマシンガンを装着した女子高生が、復讐のためにヤクザと大立ち回りを繰り広げるというバイオレンスアクション映画。
過去に「片腕サイボーグ」っていうB級アクション映画がありましたが、別にそれとは何の関係もありません。
(っていうか「片腕サイボーグ」は、そもそも実際には片腕ですらなかった。)
って、そんな話はどうでも良くて…
肝心の本作ですがビジュアルだけ見ると、何となく「最終兵器彼女」のような印象を受けますが、あんな内容的には爽やかな作品ではなく、その実態は血と臓物と『もげた首や手足』が飛び交うバイオレンス溢れるようなゴア作品です。
本編の方の内容はと言いますと、何と言いますか…良い意味で突き抜けた感覚の『やり過ぎバカ映画』って感じですね。
なんでも日本映画の方法論を一切無視して、海外資本を元に海外向けに製作された作品だそうですが、まあ確かに『日本映画じゃ有り得ないような内容』ではありますが、いくら日本を誤解してるトンデモ外人だって、ここまで激しく誤解してる人は居ないでしょう…
ヒロインは左手を天ぷらにされるわ、ヤクザの正体は実はニンジャ軍団でジャージを着たニンジャ集団が登場するわ、乳にドリルを付けた『ドリルブラ』を武器に戦うオバサンは登場するわと…とにかく荒唐無稽すぎて『突っ込まずに済む部分が存在しない』ぐらいにツッコミどころが満載の作品です。
まあ、最初から『ツッこまれる事』を前提にバカ路線を狙って作っている作品なので、こういうのもアリって言えばアリかな。
とにかく『下らない作品』である事にこだわって作られたような作品で、シリアスなシーンですらマジメな要素が全く無いため、肌に合わない人には全く肌に合わないでしょう。
ノリとしては昔のトロマの映画(『毒々モンスター』とか『カブキマン』とか)を、更に悪ノリにしたようなテイストを連想すればイメージに近いかも?
ただ低予算故に特撮とかが物凄くチープだったり、また『狙いすぎかな?』と感じられるシーンも多々あるので、演出にせよネタにせよちょっと鬱陶しさを感じてしまう部分も無きにしもあらず…
役者も大根な人が多くて、内容も『独りよがり』と取られてしまいそうな部分もあるため、何となく商業作品というよりも『派手になった自主制作映画』的な雰囲気が拭えないのは難点かも?
ストーリーにせよ設定にせよ、もうちょっとマジメにやるべき部分はマジメにやった方が、タランティーノ作品のように『マジメにバカをやってる』感が出せて更に面白くなったかもしれません。
あと、もうちょっと予算があって特撮が派手だったら、見た目のインパクトだけでも十分楽しめたと思うので、ちょっと惜しいところではありますね…
面白い事は面白い作品なんですが、どうにも全体的に物足りなさが拭えませんでした。
総評としましては、爽快感もバイオレンスもオマケ程度で、純粋に『バカな内容をバカとして楽しむ為のバカ映画』です。
ふざけた設定とかチープな特撮とかを、すべてバカと割り切って鑑賞出来る人ならば、なかなかに楽しむことの出来る内容でしょう。
マジメな気持ちを全て捨てて、バラエティ番組を楽しむようなノリで鑑賞すると丁度良い作品かもしれません。