■■■「エイリアン・レイダース」■■■
(55点/SFホラー)
アリゾナ州のバックレイクという小さな町にあるスーパーマーケットを、閉店間際に謎の武装集団が襲撃。
店員を人質に立てこもった彼らの目的とは、『エイリアンによって寄生された感染者を探し出して始末する』という驚くべきものだった。
しかし、彼らの発言を信じる事が出来ない店員たちは、武装集団の隙をついてなんとかしてマーケットから脱出しようと画策するが…
人間に寄生するエイリアンとその秘密を知る人々との戦いを描いた、SFアクションホラー映画。
「レスト・ストップ」等でお馴染みの、ワーナーのオリジナルビデオシリーズである「Raw Feed」のSFホラー版のタイトルですね。
「Raw Feed」シリーズ全般に言える事ですが、B級ながらも映画としての完成度は高くて全体的に割と良く出来ております。
お話としても先の読めない展開でなかなか面白いのは面白いのですが…
ただ本作に関しては、どうにもネタ(というか謎)を終始ひっぱり過ぎで中盤辺りから少々ダレ気味になってしまうのは難点ですね。
ストーリーに絡めたネタの引っ張り方が上手いので、途中で退屈するような事は無いのですが、中盤以降は展開のあまりの遅さに少々イライラしてしまいました。
また低予算のせいかどうにも見せ場に乏しくて、肝心の感染者との対決シーンが殆ど無いので、食い足りなさを感じてしまったのは正直な所ですね。
感染者の外見も単なる『口の周りが変形した人』って程度で、あまり面白味が無くて、登場まで引っ張った割にはイマイチ…
設定やストーリーテリングやキャラクターの味付けは上手いと思うので、モンスターのデザインとかそういう周辺の部分で損をしているのが、ちょっと勿体無さを感じます。
あと、オチが途中で読めてしまうのは(B級ホラーではよくある事なので)別に悪くは無いのですが、あのラストの投げっぱなし具合は流石にどうなのかと…
全体的に良く出来ている部分も多いので、そういう細かい所でもうひと捻りあれば、もっと面白い作品になったのでは無いかと考えると、どうにも惜しい出来の作品でしたよ。
総評としましては、良く出来ているのは良く出来ているんだけど、どうにも突出した個性が感じられずに『可も不可も無いSFホラー映画』に収まってしまっているように感じる作品ですね。
『面白いか、面白くないか?』と聞かれたら、なかなか面白い作品だったと思うのですが、どういう人にオススメするのかと言われると、ちょっと方向性が見えてこないと言うか…
とまれ『人体乗っ取りもののSFホラー』としては、普通に観れるレベルの作品ではありますので、そういうジャンルが好きならば、とりあえず観ておいて損は無いタイトルだと言えるでしょう。
普通にSFホラーが好きならば、割とオススメだと思いますよ。