NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ハプニング・ゼロ ~人間消失~」

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■■■「ハプニング・ゼロ ~人間消失~」■■■
(40点/SFサスペンス)

 ある日、会社の共同経営者で親友でもあるブレンダが殺される悪夢を見たケイトは、翌日に警察からの電話で呼び出されて、昨日まさに夢で見たとおりの方法でブレンダが殺されている事を知らされる。

 ブレンダの死体に『金属製の機械のようなもの』が埋め込まれていたという奇妙なウワサを聞いた彼女は、不気味に思いながらも会社の監視カメラを使ってブレンダの死因を調べようとしていたところ、監視カメラにはブレンダがあたかも『2人居る』かのような映像が映っている事を発見する。

 自分の見た悪夢から『自分のかつての友人達が何者かに狙われている』と確信した彼女は、ブレンダと共通の友人でかつての恋人でもあるマイクに連絡を取り、自分達の危険を知らせようとするが…


 正体不明の『もう一人の自分』から命を付け狙われるという謎の設定の、ベルギー製のSFサスペンス映画。

 タイトルに「ハプニング・ゼロ」とか付いてますが、いかんせんアルバトロスの配給映画ですので本編が「ハプニング」と微塵も関係がある訳もなく、むしろ人間消失を描いた『人間ぶっ飛び映画』こと「フォーガットン」の方が印象が近いかな?って感じ。(設定がぶっ飛んでるという意味でも。)

 お話の導入部分での謎の提示の仕方も上手く、映像表現なんかもなかなか良くて雰囲気も非常に良いので、序盤は『コレは結構面白いかも?』と思わせる作品なのですが…

 中盤辺りから『どうも、この映画おかしいぞ?』という感じになってきます。

 いや、何と言いますか、どうにも中身が無い…というか『とにかく意味不明』なんですよ。

 雰囲気は物凄く良くて、SF的な設定と独特な雰囲気の画面のビジュアル、謎の秘められた設定も非常にマッチしており、なかなか良く出来ているので観るのは苦痛では無いのですが…

 『そろそろ謎解きに向かって欲しいな』という中盤にさしかかっても、物語の設定も登場人物たちの言動も何を言ってるのかが良く分からない。

 でもまあSFサスペンス映画なので『理不尽な謎』もアリですし、最後にはスッキリとオチを付けてくれるのかと思いきや…

 物凄くネタバレになってしまいますが、ホントにラストまで何が言いたいのかサッパリ分かりませんでした。

 いや、ネタはバラしてないので厳密な意味ではネタバレじゃない気もしますが、『オチが無い』事をネタバレというか…

 これだと、「フォーガットン」や「サイン」のような『衝撃のラストシーン(まあ、アレは衝撃的すぎて笑えてしまうが…)』でもあった方が、まだ納得が行ったような気がします。

 ホントに、何か物凄く『投げっぱなし』&『説明不足』で消化不良な作品でしたよ…


 総評としましては、雰囲気や映像センスは悪く無いので、総じてレベルの高い作品であるとは思います。

 ただ、とにかくオチが意味不明…っていうか『全然オチて無い』ですので、サスペンスに『しっかりとしたオチ』を求める人には、ちょっと辛い作品かもしれません。

 別に『多少オチがなくても気にしないような人』や、50%ぐらいしか解説されてない内容を『自分なりの解釈で補完出来る人』なら、割と普通にオススメ出来る作品でしょう。
 (脳内補完しようにも与えられる情報が少なすぎるので、私の脳内補完できる許容範囲は超えてましたが…)

 まあ、先述のとおり『作品そのものの質は低く無い』ので、SFサスペンスとかの雰囲気が好きな人なら、とりあえず観ておいても損は無い作品だと思いますけどね。

 つか、このクオリティなら、脚本さえ別の人が描けば良い映画になると思うんだけどなぁ…