■■■「サヴァイヴ 殺戮の森」■■■
(60点/スラッシャー)
軍事関連の企業であるパリセイド防衛社の職員の一同は、社員研修で会社のロッジに向かうべくリムジンバスで森の中を移動していた。
しかし偶然の倒木で道路を塞がれた彼らは、仕方なく歩いて残りの距離を踏破してロッジへと向かうべく近道である森の中へと入るが、やがて森の中で不気味な古びたロッジへと到着。
彼らはその場所が会社のロッジとは確信が持てないままに、そのロッジへと逗留する事とするが、仲間の目撃証言から森の中に『彼ら以外の何者か』が潜んでいるのではないかという疑いを抱くようになる。
翌日、偶然にも近くの河原でバスの運転手が惨殺されているのを発見した彼らは、殺人鬼の手から逃れるべく森からの脱出を試みるが…
森の奥深くのロッジで7人の男女が正体不明の殺人鬼に追い掛け回されるという、スラッシャーホラー映画。
「0:39」の監督の新作という事ですが、「0:39」自体が『鳴り物入りの割と普通のモンスターホラー』だったので、『今回はどんなレベルのものかな?』と思いつつ鑑賞したのですが…
まあ予想どおりというべきか、割と普通のレベルのスラッシャーホラー映画でした。
パッケージには『「ヒルズ・ハブ・アイズ」を凌ぐ戦慄のハイテンション・ゴア・スリラー』みたいな煽り文句が書かれてた訳ですが、別に突然変異のミュータント集団が出てくる訳でも無いので「ヒルズ・ハブ・アイズ」っぽさは無いですし、あんまりゴア描写も強烈ではありません。
作品のテンポはなかなか良いので『ハイテンションって部分は当たってるかな?』って感じですが、序盤の妄想会話のシーンとかが無駄に長くてダルさを感じたので、もうちょっと序盤は短くても良かったかも?
まあそのおかげで、キャラは良く描き込まれていると思います。
殺人鬼が『近代兵器を持った武装集団』ってのは、確かにスラッシャーホラーのアイデアとしては物珍しくて良いのですが、いかんせん『武器の性能が良すぎる』ので殺害シーンがアッサリしすぎてて物足りない部分を感じます。
っていうか『殺人鬼』というよりも単なる『テロ集団』にしか見えないので、スラッシャーホラーらしさが薄まってしまっているのも難点かなぁ?
ヒロインの『殺人鬼は殺せるときに殺せ』という容赦のなさや、ホラー映画の設定を逆手に取ったようなチョイネタがあちこちに仕込まれており、ちょっとブラックで笑えるシーンが多いのは良い点ではないかと…
総評としましては、ごく普通に観れるレベルの『そこそこ良く出来たスラッシャーホラー映画』と言った感じの一本ですね。
コレという程の見所は無いですが、ところどころに仕込まれた『ナンセンスなネタ』と『テンポの良さ』はなかなか良い感じでは無いかと思います。
ただ、後半でスラッシャーホラーらしさがすっかり薄れてしまうので、正調のスラッシャーホラーを求めているならば、点数から-5点って感じでしょうか?
『ちょっとテイストの変わった感じのスラッシャーホラー』が観てみたい人には、そこそこオススメ出来る作品だと言えるでしょう。