■■■「トロピック・サンダー 史上最低の作戦」■■■
(55点/コメディ)
1969年にベトナム戦争の極秘任務で英雄的な活躍をしたという、特殊部隊の活躍を描いた実話を元にした回顧録である「トロピック・サンダー」が映画化される事となった。
ベストセラーの映画化に名うての大物俳優達が出演する事となるが、わがままで問題のある俳優陣と素人の監督のためにトラブル続きで、撮影開始から5日目で早くも算オーバーとなり撮影中止の危機に直面に直面する。
ブチ切れた監督は、映画にリアリティを出すために実際に俳優たちをジャングルの只中に放置し、敵兵や爆薬の位置を知らせずに『ゲリラスタイル』での撮影を行うという方針で撮影を敢行するが、彼らが撮影の為に訪れたその場所は凶悪な麻薬組織の秘密工場のある本当の危険区域だった…
落ち目の俳優たちが戦争映画を撮りに行ったつもりが本当の紛争地域に迷い込んでしまうという、戦争もののアクションコメディ映画。
ベン・スティラーやジャック・ブラックという、コメディ界では割とお馴染みの面々の主演による、まあ何と言うか無難な感じのコメディ作品ですな。
『落ち目の俳優たちがベストセラーの戦争小説で映画化で一山当てようとするも、ホントの紛争地帯に入り込んでしまって大ピンチに…』という感じのお話なんですが…
最初に本作の予告編とかを見た際に、もっと『パロディ色が強い作品』を予想していたのですが、パロディっぽいのは序盤の少しだけで、他の部分はごく普通のコメディ映画的な内容だったのは、ちょっと期待はずれだったかなぁ?
まあ、本編の方も別にコメディとしての出来が悪い訳ではなくて、俳優たちがピンチを乗り越える事で『本来の自分を取り戻して行く』という、ある意味でお約束どおりのテンプレ的な展開は、ドラマとしては悪くは無い感じです。
ただ、本編の尺が120分とコメディにしては長めなのと、序盤の展開が割とダラダラとした感じで進む事もあって、中盤あたりでちょっとダレ気味な印象を受けてしまったのは難点かなぁ?
もうちょっとパロディ要素で笑わせるシーンを多めに仕込むか、序盤をもっとシェイプアップしてサクサクとお話が進む感じにしてくれた方が良かったかも?
本作のアイデアとして『主役の俳優たちの過去の遍歴』を語るのを本編の中で説明するのではなく、各キャラクターの主演映画の予告編(もちろん偽者)を見せる事で描くというのは、なかなか面白いし効果的な手法だと思いました。
本編が始まったら最初に、いきなり『胡散臭い映画の予告編』が延々と繰り返されるから、一瞬何が始まったのかとビックリしましたよ。(笑)
総評としましては、コメディ映画としては良くも悪くも普通のレベルの作品だと思います。
割と派手なアクションシーンとかソレなりの見所はありますが、ソレが本作の売りになるほどのレベルかというと、そこまでの内容では無くて『戦争映画好きならばより楽しめる』という程の作品ではありません。
逆に戦争映画が別に好きじゃなくても、割と誰でも手軽に楽しめる内容の映画だと思うので、そこそこに気になっている人ならば観ておいても損は無いんじゃないでしょうか?