NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「デス・レース」(60点/アクション)

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■■■「デス・レース」■■■
(60点/アクション)

 近未来、景気の悪化に伴う犯罪の急激な増加によって、既存の刑務所は収容力を超え民間の企業が刑務所の運営を行うようになっていた。

 運営資金を稼ぐために、各地の刑務所では囚人同士を戦わせるイベントを開催。
 中でも、ターミナル島の刑務所で行われる、囚人同士が命がけでルール無用の死のレースを行うという「デス・レース」が人気を博していた。

 妻を殺害したという無実の罪によってターミナル島の刑務所へと収監された元レーサーのジェンセンは、刑務所の所長からレースで優勝したら釈放するという条件の元でレースへの参加を要請される。

 彼は自由を得るために、渋々ながらもレースへの参加を承諾するが…


 近未来の世界で行われる過激な殺人レースを描いた、ポール・W・S・アンダーソン監督によるカーアクション映画。

 タイトルのとおりに、1975年のロジャー・コーマン製作による「デスレース2000」のリメイクに当たる作品ですが、お話の内容は全然違うものになっていますね。

 オリジナル版を観たのが、いかんせん20年以上も前なのでハッキリとストーリーは覚えてないですが、確かアメリカ大陸横断レースの最中に「走行中に人を殺したら高得点」というルールでポイントを稼いでレースを競う』というメチャクチャな設定だったと覚えています。

 そんな訳で、『あんな不謹慎でお馬鹿な映画をリメイクしたのか!?』と驚いていたのですが、本作は『囚人同士が自由への権利を賭けて死のレースを行う』という比較的まともな内容なので、ホントに設定の一部のみを流用して別物の『お上品な話』になってしまった印象です。

 と言っても、本作もその馬鹿っぷりはなかなかのもので、コース上にある『剣のスイッチ』を踏むとマシンガン等の攻撃兵器が使えるようになり、『盾のスイッチ』を踏むと煙幕やオイルという防御兵器が使えるようになるという、まるで『命がけのリアルなマリオカートみたいな内容のレースを『最新鋭の特撮と莫大な予算をかけて撮っている』という点では、非常に下らなくて良い感じです。

 そんなお話なのでストーリーは有って無いようなもので、主人公やヒロインのキャラクターの描き込みも非常に薄っぺらくて、ぶっちゃけカーアクション以外に全く観るべき所はありません。
 って言うか、正直言ってカーアクションシーン以外は早送りで観てしまっても問題ない程度の内容。

 ですが、カーアクションのみは、非常に予算のかかったド派手な物が準備されており、設定のバカバカしさも相まって、とりあえずボーっと見てるだけでも十分に楽しめる内容です。
 実際に、本編の半分以上がカーアクションシーンですしね…

 惜しむらくは、ラストがちょっと地味で盛り上がりに欠ける感じだったのと、主人公以外のライバルレーサーが空気のような扱いで、殆どマトモに見せ場が無かったのは勿体無いかなぁ…

 ここまで荒唐無稽な話を作るんなら、もっとド派手でバカバカしい終わらせ方にしても良かったんじゃないかと?


 総評としましては、アクション映画が好きで『何も考えずにド派手なカーアクションを観たい』という人ならば、なかなか楽しめる事の出来る作品だと思います。

 …が、オリジナル版のような『突き抜けたアホ映画』みたいな内容を期待してると、ちょっと肩透かしを食らってしまうかもしれません。

 いかにもゲーム的な内容のお話なので、「ヴィジランテ8」とか「フルオート」とかのバトルレースもののゲームが好きな人ならば、より楽しめるかもしれませんので、そういうノリが好きな人ならオススメですよ!