■■■「デス・ルーム」■■■
(50点/オカルト)
アメリカにある寂れた映画スラジオである『ウルトラ・スタジオ』。
このスタジオのVIPツアーに、映画関係者の6人の男女が集められる。
彼らは撮影所を巡るうちに、『監督が実際に悪魔の儀式を行っていた』という不気味な噂のある、伝説の恐怖映画「ヒステリア」のセットである『死の館』という建物へと到着する。
建物の内部に興味を持った彼らは、ガイドの老人が止めるのも関わらずに、そのセットの内部を見学するが、セットの仕掛けが作動したせいで奇妙な八角形の部屋に閉じ込められてしまう。
彼らは、映画のシーンを再現すれば仕掛けから脱出できるかもしれないと考え、映画同様にお互いの恐怖体験を告白し始めるが…
彼らはお互いが『驚くべき恐怖体験』を経験した事がある人間だという、奇妙な共通点がある事を知るのだった。
5本の恐怖体験のショートストーリーを一本にまとめた、オムニバス風な構成のオカルトホラー映画。
映画の説明を観た際に『なんか矢鱈と沢山の監督の名前が書かれてるな…』と思いきや、パッケージからはそういうのは読み取れないですが、実は「クリープショウ」とか「アメージングストーリー」的なオムニバス形式の作品でした。
パッケージには『ソリッド・スリラー』とかって書かれてますが、全然そんな内容ではありません。
変な生き物とか触手生物とかが出てきたりして、どちらかというとイロモノ臭の漂う内容ですね…
ノリ的には、TVシリーズの「アウターリミッツ」とか「フロム・ザ・ダークサイド」の雰囲気に近いと言えば、ホラーが好きな人ならピンと来る人も多いでしょうか…
いかにもB級臭いストーリーや設定と全体に漂う『ダメっぽさ』が、ある意味で良い味を出していると言えるかも?
5本のお話は、どれも『ちょっとエロ風味』の入った感じの内容で、その共通項が更に胡散臭さを際立たせていますが、内容に関してはイマイチと言いますか…
1本目のジョー・ダンテ監督の撮った『豊胸手術』の話は、なかなか笑えるし良い味を出しても居るのですが、他の4本が微妙な感じで『地獄』の話ぐらいが及第点って感じかなぁ…
面白い話が序盤に固まってしまっているので、どうにも後半がダレてしまうんですよね。
『エロ』と『グロ』に絞り込んでのオムニバスってのはアイデアとしては面白いと思うんですが、もうちょっと上手い料理の仕方が無かったものかと思ってしまいます。
ショーン・S・カニンガム監督とか久々に観た気がするので、この辺の人には、もうちょっと頑張って欲しかったなぁ…
総評としましては、収録内容が『総じて微妙な印象のオムニバス作品』ですが、なんとなく『狙って作られた微妙さ』を感じる部分もあるので、敢えてそういう風味の作品が好きな人なら、そこそこ楽しめるのではないでしょうか?
前述したように、「アウターリミッツ」や「フロム・ザ・ダークサイド」みたいな、胡散臭い設定と無茶なストーリーで構成された『微妙なTVシリーズ』のノリが好きな人になら、割とオススメ出来る作品だと思いますよ。
ジョー・ダンテ監督のファンで、そういうノリの作品が好きならば、とりあえず観ておいても良いんじゃないでしょうか?