■■■「ゾンビ・ストリッパーズ」■■■
(65点/モンスター:結構オススメ)
そう遠くない未来…
第4期目に突入したブッシュ政権は中東やヨーロッパ諸国との長期に渡る戦争のせいで、慢性的な兵員不足に陥っていた。
政府は、この問題を解決するために『死んだ細胞を動かす伝染性の人工ウィルス』を開発する実験を行うが、事故により非常に感染力の強いウィルスが研究所内で蔓延してしまう。
研究所に溢れかえるゾンビを退治するために軍の特殊部隊であるZ分隊が派遣され、彼らはいとも容易くゾンビを駆除するが隊員の一人が誤ってゾンビに噛まれてウィルスに感染。
仲間によって『処分』される事を恐れた彼は、部隊を離れて手近な建物へと逃げ込むが、そこは政府によって違法とされている地下ストリップクラブだった…
ゾンビ化したストリッパー達によってストリップクラブがゾンビの巣窟と化すという、モンスターホラー映画。
大昔にも売春婦がゾンビになる「フランケンフッカー」とかって映画があったりと、『ゾンビ+裸のお姉ちゃん』という設定は別に珍しくも無いですが、ソレを差し引いてもなかなか良く出来たホラー映画です。
ノリとしてはブラックなコメディ風の内容で、ストリップクラブの花形ストリッパーがゾンビになってしまうんだけど、ゾンビ化したストリッパーの過激なダンスが客に大ウケして大盛況。
クラブのオーナーは、金儲けの為に客が食われるのも関わらずゾンビストリッパーを踊らせ続ける。
といった感じのお話なのですが…
キャラの立て方が非常に上手くて、ゾンビ化した花形ストリッパーの人気に嫉妬して、自分もゾンビになってしまうライバルストリッパーとかの設定も面白いですし、ロバート・イングランドの演じる『金儲けしか考えていない小悪党的なクラブのオーナー』も非常に良い味を出してて、かなりのハマり役です。
コメディのセンスもなかなか良くて、政府公認でゾンビの研究を行っていたり、ゾンビ化したストリッパーが大人気になったりするというブラックな設定に加えて、本編とあまり関係のない『物凄くどうでもいい所』に小ネタが仕込まれていたりと、なかなかに笑わせてくれます。
(股間からビリヤードの玉を発射するシーンとか、ムチャクチャ笑いました。)
アクションシーンや特撮は、予算の関係上か流石にショボさが感じられますが、低予算ながらも頑張って作られているのが感じられてかなりの好感触です。
また、ゾンビ化するストリッパーの役を、ジェナ・ジェイムソンという人気ポルノ女優が演じているらしいのですが…
別に洋物ポルノに詳しい訳でも無いので『そんな人、知らんがな…』と思いつつ観ていたのですが、いや流石に人気女優だけあって裸がムチャクチャ綺麗ですな。
あとダンスも驚くほど上手くて、ストリッパーがダンスするシーンはエロとか関係なしに普通に見入ってしまいましたよ。
オチの付け方もなかなか上手いですし、ラストの『事件の真相を語るシーン』みたいなのは蛇足だったと思いますが、それ以外の部分に関しては非常にテンポも良くって面白かったです。
総評としましては、ブラックなコメディホラーとしては非常に完成度の高い、なかなか良く出来た佳作レベルのB級ホラーだと思います。
まあ低予算ですのであちこちに粗はありますが、ソレを差し引いてもお馬鹿さとパワフルさの感じられる内容ですので、そういうノリのコメディホラーが好きな人には普通にオススメ出来る作品だと言えるでしょう。
ゾンビものが好きで不謹慎なコメディやエロに抵抗が無いならば、間違いなく観ておいて損は無いタイトルだと思いますよ。