NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ビハインド・ザ・マスク」(60点/スラッシャー:結構オススメ)

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■■■「ビハインド・ザ・マスク」■■■
(60点/スラッシャー:結構オススメ)

 連続殺人鬼に関するドキュメンタリー番組を作成するTV番組のクルー達は、メリーランド州のグレン・エコーという小さな町で、幼い頃に滝壺日捨てられたせいで世の中に恨みを抱いて、世間への復讐の為に大量殺人を企んでいるというレスリー・ヴァーノンという青年の噂を知る。

 スタッフ達は、レスリーを題材にしたの番組を作成する為に彼の元へと取材に訪れるが、明るい好青年風のふるまいで殺人計画を話す彼の姿を見るうちに、彼が冗談で殺人計画を話しているのでは無いかと思うようになっていく。

 しかし、殺人予告の日に実際の計画通りに殺人が実行された事を知ったスタッフ達は、何とかして他の犠牲者達を未然に助けることが出来ないかと考え、犠牲者達の元へと警告に向かうが…


 殺人鬼の取材を行うというドキュメンタリー番組風のタッチで制作された、スラッシャーものホラー映画。

 パッケージには「ブレアウィッチ」や「クローバーフィールド」風の作品のように書かれてるど、別に主観視点で臨場感を狙ったような作品では無いので、ちょっと毛色は違う印象です。

 お話の前半は、自称・殺人鬼が妄想を垂れ流すような展開『何じゃ、この話は?』といった感じの内容なのですが、実際に殺人が実行されるお話の後半からは、なかなかに先の読めない展開で非常に面白くなります。

 殺人鬼が『ホラーのお約束』をストーリーの中で解説して、そのお約束を踏襲しつつも、予想外の展開で視聴者の意表をつくという展開は、なかなかどうして面白い構成だと思いました。

 作中の世界では、ジェイソンやフレディやマイケル・マイヤーズが実在しているかのように語られていたり、本編にロバート・イングランド(フレディ役の俳優)やケイン・ホッダー(ジェイソン役の俳優)が関わって居たりと、ホラー作品のオマージュ的な小ネタが随所に仕込まれていたりと、『ホラーファンの監督がホラーファンの為に作った作品』といった感じの空気が伝わって来るのは楽しいですね。

 ただ、殺人の手段が意外と地味で派手さに欠ける点や、殺人鬼のキャラクター性が弱くて印象が薄い気がするのは、ちょっと残念なところ…
 オチも今ひとつパンチ力が弱くて、面白い作品なんだけど強烈に印象に残るような内容じゃ無いのが惜しい所ですよ。

 ラストのスタッフロールでの『お約束』は、なかなか笑わせてくれましたが…


 総評としましては、スラッシャーホラーとしては『変り種』的な印象ですが、ホラーのパロディやオマージュ作品としては非常に面白い、佳作レベルの作品だと思います。

 『変り種』と言っても純粋にホラーとしての完成度が低い訳でも無いですし、スラッシャーホラーが好きな人ならば『ネタ映画』としてだけでも観ておく価値は十分にある作品と言えるでしょう。

 「スクリーム」とかの、ホラーのエッセンスをパロディ化したホラー映画が好きな人なら、とりあえずチェックしておいて損は無いタイトルだと思いますよ。