NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ラストハザード 美しきジハード」(50点/モンスター)

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■■■「ラストハザード 美しきジハード」■■■
(50点/モンスター)

 全世界で原因不明で死者が蘇って『半死者(ゾンビ)』になるという怪現象にみまわれた未来。

 蘇った半死者は人間と同じように心を持っており危険な存在では無かったものの、半死者の存在を受け入れられない過激派の人間達は彼らを狩り立てて殺害して回っており、それに対して政府は『既に死者であり人権を持たない半死者たちの被害』を黙認している状態だった。

 6ヶ月前に恋人に殺されたアンジェラは、同じような境遇の半死者達と協力して人目を忍んで生活していたが、そんなある日、半死者達の間でカルトのカリスマとなっている『聖母ソルティス』と呼ばれる人物から『生きた人間の肉を食べる事で人間以上の力を発揮できる』という恐るべき事実を知らされるのだった…


 唐突に死者が蘇るようになった世界で人間達と死者達との対立を描いた、アクション風味のゾンビ物モンスター映画。

 まあ、いわゆる『原因不明で死者が生き返るようになった世界』を描いたゾンビものの作品なのですが、本作の他の作品との違いは『ゾンビ化した人間が普通に知能も意識も持っている』という点ですね。

 本作のゾンビは『ゾンビ化はしたんだけど基本的に普通の人間と同じ』という人たちが迫害を受けるって感じの設定から、人種差別とか男女差別とかそういう方面の比喩を感じさせるような展開になるのかというと…ぶっちゃけそこまで深いお話でもありませんでした。

 まあ、ストーリーの味付けとしては面白いかな…って感じですね。

 上記のような『知性あるゾンビ』という設定から、序盤は割りとグダグダとした理屈っぽい感じの展開になるので、『ちょっとダルい感じの内容なのかなぁ…』と思って観てたら、中盤から唐突にバトルホラーっぽい話に突入して、先が全く読めない展開になります。

 で、予想を裏切る展開に『コレは結構面白いお話なのでは?』と期待しながら観てたら、中盤で広げた風呂敷が全く畳みきれないままにグテグテの展開に突入して、結局最後まで何が言いたいのやら訳が分からないままに終了してしまいました。

 まあ何と言いますか、色々と面白そうなアイデアを詰め込んでみたけど、収拾が付かなくなって訳が分からないまま終わってしまったという、B級映画にありがちなパターンですな…

 『ゾンビ化した人間が知性を持ったままの世界』『怪物になってしまったヒロインと元恋人との確執』という2つのお話がメインだとは思うのですが、正直言ってどちらか片方だけの設定で十分だったんじゃないかと…
 正直言って中盤からの展開が唐突すぎて、もはや『何が何やら…』って感じです。

 予算的にも厳しいのが見え見えで、無理してアクション映画みたいなノリにしちゃってるせいもあって、全体的に安っぽさが目立ってしまっているのは困り者ですなぁ。

 全体的に観れないほど酷い出来じゃないんですが、何と言いますか『予算の割に無理しすぎてる』って感じなんじゃ無いかと…


 総評としましては、狙いは分かるんだけど色々とグテグテすぎるという、なんと言うか『悪い意味で物凄くB級臭い内容の映画』という感じの作品です。

 観てらんないほどツマんない訳じゃ無いですが、イデアを消化しきれてない感が満載で、あまりオススメ出来るような内容じゃ無いってのが正直なところ…

 『B級映画なんだから多少のグテグテの展開とかは気にしない』って人なら、目新しい設定もあってそこそこ楽しめる内容かもしれませんので、変わり種な感じのゾンビ映画が見てみたいって人なら、まあ観ておいても良いかもしれませんね。