NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「SHOCKER ショッカー」(20点/スラッシャー)

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■■■「SHOCKER ショッカー」■■■
(20点/スラッシャー)

 アメリカ史上最悪の殺人鬼と恐れられた連続殺人鬼の『シード』が電気椅子で処刑される事となる。

 しかし、処刑場にあった電気椅子が旧式で老朽化していたため、シードの処刑は失敗。

 『電気椅子での処刑で装置に電流を流すのは3回までで、その際に死ななかった罪人は釈放されて自由の身になる』という法律のため、シードは開放される事となってしまう。

 殺人鬼が再び野に放たれる事を恐れた警察は、この事実を隠蔽するためにシードを生きたまま埋葬して亡き者にしようとするが、墓場から自力で脱出したシードは自分をこんな目に遭わせた警察官たちへと復讐を開始するのだった…


 墓場から蘇った連続殺人鬼が警官たちへと復讐を行うという、ウーヴェ・ボル監督によるスラッシャーホラー映画。

 「ショッカー」っていうと、ウェス・クレイヴン監督の電気椅子にかけられた殺人鬼が黒魔術で『全国ネットの殺人鬼』となって殺人を繰り返す』という設定の佳作ホラーを思い出しますが、同じタイトルが付いているだけで別にリメイクとかって訳ではありません。
 (敢えて言うなら『電気椅子』という共通点があるぐらいか?)

 ウーヴェ・ボル監督というと、ホラーファンの間では『ガッカリ映画監督』という事で有名な監督ですが、個人的には『無駄にイキオイだけはあるけど中身の無い映画』を撮る監督という事で、割と好きな監督だったりするのですが…

 本作は、そんな私でも『コレはガッカリだわ…』と言わざるを得ないような作品ですね。

 お話のテンポは良いのでそこまで退屈する内容じゃ無いのですが、とにかくストーリーと構成がムチャクチャ。

 前半の『殺人鬼が逮捕されるまで』の展開はそこそこ観れるのに、盛り上がるべき後半の『殺人鬼が蘇ってから』の展開がとにかくお粗末で酷い。

 シーンの繋ぎやマトモな物語の展開も無く、殺人鬼がひたすら『淡々と犠牲者を殺害して回るだけ』で、緊張感もへったくれもない。

 殺害シーンに関しても凝った演出がある訳でも無いので、たいして面白くも無い残虐シーンが続くだけで、とにかく退屈な展開です。

 キャラの描き込みも中途半端で、『殺人鬼の生い立ち』みたいなのが微妙に語られるのですが、ソレが本編に活かされている訳でもなく、結局なにが語りたいのか意味不明。

 極めつけは、強烈なネタバレになってしまいますが敢えて言ってしまうと、ラストで『殺人鬼が主人公の警官の家族を人質にするシーン』があるのですが、主人公が殺人鬼の脅迫に屈して自殺して『殺人鬼はピンピンしてて家族も捕まったままエンドロール』とか…
 どんだけ衝撃的な投げっぱなし展開なのかと…

 幾らなんでもこのオチは酷すぎだろ、どーすんだよ、コレ!?
 そもそもオチてすらないだろ、この映画?


 総評としましては、『残念な作品が多い』と評判のウーヴェ・ボル監督作品の中でも『真性のガッカリ作品』と言っても良いぐらいに、超残念な内容の作品です。

 つか、中途半端に前半がマトモに出来てるので、後半のガッカリ感が強くて『どうしてこうなった?』って感じの内容ですので、敢えて『思う存分にガッカリ感を味わいたい』という人ぐらいにしかオススメは出来ません。

 せめてオチだけでもキチンとしてれば、まだ観れたと思うのに…観客の意表を突きたかったのかなぁ?
 『全くオチが無い』とか、こんなサプライズは必要ないですよ…