NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「D-WARS ディー・ウォーズ」(55点/怪獣映画)

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■■■「D-WARS ディー・ウォーズ」■■■
(55点/怪獣映画)

 LA郊外のリゾート地で大規模な地面陥没事件が発生する。
 事件を取材していたTVリポーターのイーサンは、現場でウロコ状の化石を目撃し、そのウロコが少年時代に骨董屋で見たものと同じものだと直感する。

 彼は15年前に骨董商で聞かされた、世界の運命を決める2匹の大蛇の伝説を思い出し、その伝説にある世界を救う鍵となる『運命の女性』を探して情報の収集を開始。

 ようやくその女性である『サラ』を見つけ出すが、既に邪悪な大蛇である『ブラキ』も彼女も元へと迫っていたのだった…


 韓国の映画監督とスタッフがアメリカを舞台に製作した、巨大な大蛇が大暴れするモンスターパニック映画。

 って言うか、一言で言ってしまうなら『韓国製の怪獣映画』ですな。

 一応、LAが舞台で出演者もアメリカ人ばっかりですが、韓国からのハリウッド進出作品という扱いの作品で、なんでも「怪獣大決戦ヤンガリー」を撮ったスタッフによる新作だそうです。

 内容もいわゆる狭義のモンスター映画ではなく、市街地で軍隊とモンスターが派手にドンパチを繰り広げたり、怪物がミサイルを食らっても平然としてたりと、まるっきり『怪獣映画』のプロットに沿って作られた作品ですね。

 とまれ、細かい理屈は抜きに『怪獣映画をCG技術全開で金をかけまくって撮ってやろう』というコンセプトは非常に良くて、映像は物凄い迫力があります。

 大蛇である『ブラキ』が車を跳ね飛ばしながら道路を疾走するシーンや、建物の側面を破壊しながらビルを登るシーンは、なかなか迫力がありますし、空を覆う翼竜の大群や砲台を背負った地竜の大群など、怪獣映画好きなら観るべきシーンは多いですね。

 特に、ストーリー中盤での『戦闘ヘリと大蛇や翼竜の群れが戦うシーン』とか『戦車隊と地竜が戦うシーン』なんかは、かなりの大迫力なので、怪獣映画好きならずとも『特撮好きならば必見!!』と言えるでしょう。

 正直言って、日本のスタッフにもコレぐらいお金をかけて『フルCGの怪獣映画に挑戦して貰いたい』と、うらやましく感じてしまう程です。

 が、特撮は確かに凄いのですが、それ以外の部分がイマイチというか…とにかくストーリーが存外に酷い。

 何と言うか、『中二病』どころか『中学生が脚本を書いたんじゃないか?』ってぐらいの底の浅い内容で、子供だましも良いところ…

 なんか『俺の考えた最強ドラゴン伝説』みたいな感じの設定で、敵役のキャラや怪獣には魅力があるものの、主人公周りのキャラには全く魅力なし。

 物語の見せ方も『矢鱈と長い回想シーン』を入れる事で強引に説明をしているだけで、見せ方には微塵も工夫が無いですし、主人公達を拘束してたFBI職員が意味も無く仲間を裏切ったり、敵のボスが物凄くショボい死に方をしたりと、ご都合主義的展開の連発でツッコミどころも満載。

 ハッキリ言ってストーリーに関しては、どこをどう誉めたら良いのか見当も付かないぐらいのショボさで、あまりに退屈なので怪獣の出てないシーンは殆ど早送りで観てしまいましたよ…


 総評としましては、単純に『怪獣が大暴れする映画』として観るならば、見所も沢山あって迫力もあるので『観ておく価値のある作品』だと思います。

 ただし『キチンとしたストーリー』を求めるならば、正直言って観れたものじゃありません。

 従って本作の得点の55点というのは、『怪獣:50点』+『ストーリー:5点』ぐらいの配点だと思って下されば問題ないレベルかと…

 まあストーリーに関してはアレな感じですが、単純に『怪獣映画』が好きならばソレを差し引いても、十分に見る価値はある作品だと思いますので、『その手の作品が好きならばどうぞ』って感じの一本ですね。