NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「オブジェクティブ」(55点/サスペンスホラー)

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■■■「オブジェクティブ」■■■
(55点/サスペンスホラー)

 同時多発テロから数日後の事、アメリカの偵察衛星アフガニスタン山間部に正体不明の放射線反応を発見。

 アルカイダの隠し持った核兵器の存在を恐れたアメリカ軍は、この現象の正体を探るべく調査を開始する。

 現地の調査へと派遣されたCIAのベンジャミン・キーンズは、アフガンに駐留中のアメリカ軍の特殊部隊と連携して、現地の協力者であるモハメド・アバンという聖職者を探して砂漠の村を訪れるが、その男が常人は立ち入ることの出来ない『霊山』に居るという手がかりを得る。

 彼らは現地ガイドを雇い、砂漠の中にある『霊山』を目指して移動を開始するが、道中で無線やコンパスが正常に働かなくなってしまい、部隊は完全に孤立。

 更には『死んでも死体が残らない敵兵』に襲撃を受けたり、深夜に飛来する『奇妙な発光体』を目撃したりといった異常な現象に次々と遭遇するうちに、徐々に平常心を失ってゆくのだった…



 アメリカ軍の特殊部隊が砂漠の真ん中で原因不明の怪現象に見舞われるという、SF風味のサスペンスホラー映画。

 本作は事前に見た『予告編』が超ツマんなそうだったので、『こりゃダメかな?』覚悟完了しつつ観てみたのですが、意外にもなかなか良く出来たサスペンスホラーでした。

 売り文句によると、なんでも本作は『「ブレアウィッチ」のスタッフによる製作』だそうですが、ぶっちゃけ『誰が製作に関わってるのかサッパリ分からない』のですが、確かにストーリーの運びとか演出とかに「ブレアウィッチ」っぽさを感じる部分はあるかも?
 (まあ、単なるオマージュなのかもしれませんが…)

 お話の内容はいわゆるSFサスペンス風な感じで、主人公達が『正体不明の敵』によって襲撃を受けるって展開なのですが、この『敵』がホントに『狙い』とか『動機』とかがサッパリ訳が分からなくて、ある意味で『理解不能の怖さ』のような物を上手く演出出来ていると思います。

 怪現象も内容的には、実際にはたいした現象が発生してる訳じゃなくて、主人公達が『一人相撲』を取ってるような展開が多いのですが、その部分が演出で上手くカバーされており、退屈さをあまり感じさせない作りになってるのは、なかなか良い感じですね。

 ただ、お話の『スケールの小ささ』を誤魔化す為か、全体的に展開がスローテンポで進むため、全編通して若干ダレがちなムードが漂ってしまっているのは、ちょっと残念なところですね。
 (この辺も、悪い意味で「ブレアウィッチ」と似てると言えるかも?)

 あと、ホラーにはありがちな展開ながらも、どう見ても途中で収拾が付かなくなったっぽい『投げっぱなしなオチ』は、もう一工夫欲しかったかなぁ?

 個人的に、謎の現象の正体で『そんなもん、よっぽどのオカルトマニアじゃないと知らんだろう!?』って言うような名前が出てきたのは、ちょっとだけビックリしました。
 (「ヴィマナ」なんて名前を出されてピンと来る人が、世の中にどれだけ居ると言うんだ?)


 総評としましては、ストーリーはアレだけど『全体的な雰囲気や演出は良く出来たサスペンスホラー映画』と言った感じの作品ですね。

 細かいツッコミをすると破綻してしまうようなお話ですが、不気味な雰囲気やらを楽しむだけなら、『まあアリかな?』ってレベルの内容だと思います。

 「ブレアウィッチ」とかみたいな『雰囲気重視のホラー』が好きな人ならば、『まあ観ておいても損は無いかな?』って感じの一本では無いでしょうか?