NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「アサイラム 狂気の密室病棟」(45点/スラッシャーホラー)

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■■■「アサイラム 狂気の密室病棟」■■■
(45点/スラッシャーホラー)

 幼い頃に父を自殺で亡くし、後に兄も自殺で亡くすという悲しい過去を持つマディソンエリスは、過去のトラウマを克服する為に、かつて兄が通っていた『リチャードミラー大学』の学生寮へと入寮する事となる。

 しかし寮に幽霊が出るとのウワサを聞き異様な雰囲気を感じ取った彼女は、この寮がかつて精神科病院だった場所を改装したものであり、病院の管理者であるバーク博士によって人体実験的な手術が行われていた場所だったという情報を知らされる。

 彼女は、この学校で死んだ兄の死の真相を確かめるべく病院の過去を探ろうとするが、その矢先に博士の亡霊が寮生達を襲い始めるのだった…


 かつての精神病棟の跡地に立てられた学生寮で、マッドサイエンティストの亡霊が学生達を襲うという、オカルト風味のスラッシャーホラー映画。

 タイトルやパッケージだけ見ると病院もののオカルトサスペンスのような印象を受けますが、内容的には『亡霊が学生を殺しまくる』という、いわゆる亡霊物のスラッシャー映画ですな。

 デッドコースター」や「スネーク・フライト」のデヴィッド・R・エリス監督による新作なのですが、本作の出来はどんな感じかと言いますと…
 ぶっちゃけて言うと、『ちょっと微妙な出来だなぁ?』って感じ。

 この監督は「スネーク・フライト」はテンポが良くて手堅い演出の良作だったものの、「デッドコースター」は冒頭の事故シーンの出来は良かったものの、本編はショッカー演出を狙いすぎて今ひとつだったりと、作品によって出来にバラツキがある印象ですね。

 お話としてはエルム街の悪夢」的なノリを狙った感じで、博士の亡霊が主人公達のトラウマを利用して犠牲者を殺していくという展開なのですが、このトラウマが上手く活用されておらず、あまり作品の個性付けになっていません。

 殺し方も、あまり工夫が無くて面白みに欠けるので、正直言って『襲撃シーンがちょっと退屈に感じてしまう』ってのは、ホラーとしてはいかがなものかと…

 博士のキャラクターもフレディのような圧倒的な個性がある訳でもなく、全体的にエルム街の悪夢」の劣化コピー的な印象しか受けない内容なのが残念な所。

 でも博士の最終形態の、上半身の服を脱ぎ捨てて有刺鉄線を体に巻いた『変態SM的フォーム』はちょっとウケました。
 いや、どうせなら最初からこの『変態的なノリ』が欲しかった…

 全体的に見て『お話のテンポ』や『映像センス』は悪くないですし、ツマんないような素材じゃ無いんですが、なんというか『味付けの仕方が悪い』って感じなのかなぁ?

 本作も、中途半端にサスペンス的な演出を取り入れようとして失敗してる雰囲気があるので、この監督はもっと直接的な表現の『イケイケGoGoな感じの作品』を作った方が良いんじゃないだろうかと思うのは、私だけですかね?


 総評としましては、全体的に『悪くは無い』んだけど『イマイチな感じ』の漂うレベルで、『ツマんなくは無い』けど『とりたてて面白くも無い』って言うか…変な言い方だけど『普通なんだけど微妙』な出来の作品でした。

 基本的に悪い出来では無いので、観ても時間を無駄にしたりするようなレベルじゃ無いですが、コレといったオススメのポイントも無いのが辛いところですな…

 過剰な期待をせずに観れば、そこそこ普通に楽しめるレベルだとは思うので、ケーブルTVとかで放映されてる時に気負わずに観れば、割とお得な気分になれる感じかも?

 強く推奨はしないですが、この手の『亡霊ものスラッシャーホラー』とかのジャンルが好きならば、とりあえず観ておいても後悔はしないと思うので、まあ『お好みで…』って感じの一本と言えるでしょう。