■■■「悪魔の椅子」■■■
(60点/サスペンス)
廃墟となった精神病院を探検気分で訪れたニックと恋人のサミーは、病院の一室で治療装置と思われる奇妙な椅子を発見。
二人が椅子に座ってイチャついていたところで、椅子のギミックが唐突に作動し、現れた『何者か』によってサミーは惨殺されてしまう。
ドラッグのせいで記憶が曖昧だったニックは、『真実』を語るも警察に信用されずに容疑者として精神病院に収監されて、4年間の精神治療が行われる。
治療により何とか精神的に落ち着きを取り戻した彼は、彼の担当医である心理学者やその生徒達と共に、事件の際に『何が起こったか』の真相を究明するために、事件現場である廃墟へと再び訪れる事となるが…
古びた精神病院跡の廃墟を訪れた人々が遭遇する恐怖を描いた、サスペンスホラー映画。
パッケージの印象からイマイチっぽさを感じたのでスルーしていたのですが、割と評判が良いようなので借りてみたら、なかなかの良作でした。
つかこのパッケージだと、どう考えても『本作の雰囲気が伝わりきってない』と思うので、絶対にパッケージで損してるような…
序盤は『幽霊屋敷もの』っぽいノリで物語が展開していくのですが、『その実は…』という意外性がなかなか面白いです。
なんとなく「ヘルレイザー」をイメージさせるような、ジメジメした心象世界の印象や、訳の分からない異様さを持ったデザインのクリーチャーとかも、なかなかに良い味を出しており、全体的に雰囲気が非常に良い感じですね。
お話のテンポが良くてストーリーが割と二転三転としていく展開なので、途中で退屈しないのは良いですが、クリーチャーとかの出番が意外と少なかったり、残虐シーンのインパクトが若干弱かったりと、ちょっと勿体無い部分を感じました。
オチもある程度は予想できる展開なので、もうちょっとインパクトがある終わり方にしても良かったかも?
お話が基本的にサイコサスペンス風で、ちょっと奇をてらった感じの展開になってるのですが、むしろこの監督の撮った正統派のスプラッタホラーが観てみたいと感じたのは私だけですかね?
それこそ、「ヘルレイザー」の新作でも撮って貰えば、割と良い感じに仕上がりそうな気がするんですけど…
総評としましては、全体的になかなか良く出来た感じの『ちょっと変わった味付けのあるサイコスリラー映画』だと思います。
お話としては凡庸な部分もありますが、クリーチャーや映像周りのセンスが良いので、モンスター映画好きの人でも割とハマる内容だと言えるでしょう。
「ヘルレイザー」みたいな、ジトジト・ジメジメとした印象やザラついたフィルム的演出やらの雰囲気が好きならば、普通に楽しめる作品だと思いますので、その手のノリが好きならばオススメですよ。