■■■「ジャーマン・ゾンビ」■■■
(7点/モンスター)
2001年の3月。
街のギャング達が、とあるホールを使用して仲間で集まってのパーティを行っていたところ、会場の中にあった謎のタンクに入っていた『緑色の薬品』を浴びた人々が、次々とゾンビのような怪物と化して他の人間に襲い掛かるという事件が発生する。
そのタンクは、ある製薬会社が『人間の寿命を延ばす薬』を作ろうとして、実験に失敗した薬品を秘密裏に保管していた物だったのだ。
ホールの管理者である医師によって真実を知らされたギャング達は、ゾンビの拡散を防ぐ為に逃げ出したゾンビ達を始末しようとするが、既に謎の液体による汚染は街中へと広がりつつあったのだった…
ギャング達が街中に拡散したゾンビの群れと戦うという、ドイツ製のアクションホラー映画。
いやー、何か久々にこのセリフを言いますが、こりゃまた『存外に酷い出来の映画』ですな。
コレは自信を持って言えるぐらいに、間違いなく『Z級のクズ映画』ですよ。
もう何が酷いって、とにかく『何もかもが酷い』って感じ…
ストーリーはプロットから既に破綻してて、『ギャング達がゾンビの拡散を食い止める為に戦う』って話なのですが、このギャング達が何の為に『命がけでゾンビ達と戦う』のかの意味がサッパリ分からない。
『仲間がゾンビにされた』って事で恨みを抱いてるのは分かるのですが、何の為に危険を冒してまでゾンビを追い掛け回すのか意味不明。
薬の実験を行っていた医師とギャングとにの間に『横のつながり』があるっぽいのですが、この人間関係も意味不明。
街中にゾンビが拡散してる筈なのに、遭遇するゾンビは片手で数えれる程の人数しか居ないとかストーリーが矛盾だらけだし、シーンの繋ぎとかもムチャクチャで、とにかく訳が分かりません。
映像も『特撮がショボい』とかってのは言うまでも無く、ハンディカムで撮ったかのような荒い映像だし、音楽も60年代にタイムスリップしたかと思うようなショボいBGMや効果音。
まさに、Z級映画のテンプレートに沿って忠実に作成されたかのようなクソっぷりで、とにかく『誉めるべき部分』が全く見当たりません。
ドイツのゾンビ映画らしく、過剰な残虐描写による『グチャグチャっぷり』はあるのですが、ここまで特撮がショボいと作り物まる分かりな上に、グチャグチャのシーンは『何が何やら訳が分からない状態』って感じでグロさも全く感じられないですし…
まあ、何となく『イキオイ』だけは感じられるのが、せめてもの救いですかねぇ…
そして本作の何が辛いって、ここまで『ショボくてツッコミどころの多い作品』なのに、『笑えるポイント』は殆ど存在しないので、ホントに『退屈なだけ』の作品になってしまっている事ですしょう。
ここまでクソなんだったら、『せめて、笑わせてくれよ』って感じで、クソ映画を見慣れている私ですすら『途中で再生を止めたくなる』ぐらいに観てて辛い映画でしたよ…。
総評としましては、久々に『コレは本気で時間を無駄にしたなぁ…』と感じる程に、どうしようもないぐらいに『擁護できないレベル』の酷い作品でした。
90分間をこの映画の為に拘束されるのは、人生における『貴重な時間の損失』以外の何者でも無いと思われるので、よっぽどマゾ的な人か『人生を無為に消費したくて仕方ない』という奇特な人でなければ、本作を観る価値は無いと思われます。
『定期的にZ級映画を観ないと死んでしまう』ような特殊な事情でも無い限りは、普通にスルーしてしまって良い作品だと思いますよ。
ホントに『ツマんない』ってだけで、ネタ映画として観るにも微妙な内容ですしね…