NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「サスペリア・テルザ 最後の魔女」(50点/オカルト)

イメージ 1

■■■「サスペリア・テルザ 最後の魔女」■■■
(50点/オカルト)

 ローマ郊外の墓地で1815年に埋葬されたものと思われる、ある人物の『棺』と『遺品入れ』が発見される。

 この発掘物がローマに伝わる『魔女伝説』に関わるものだと気付いた神父は、遺品入れに厳重に封印を施してオカルト学に詳しい博物館の館長・マイケルの元へと送付する。

 館長の留守に遺品入れを受け取った考古学者であるサラは、同僚の職員と共に箱の中身を調べようとするが、箱の中身を調査中の少し退席した間に同僚が怪物のような得体の知れない集団に惨殺されている現場を目撃。

 なんとか美術館から逃げ出して警察に事件を通報した彼女だったが、事件のあまりにも非現実的な内容に、逆に犯人としての容疑をかけられてしまうのだった…


 ダリオ・アルジェント監督による「サスペリア」「インフェルノに続く、『魔女3部作』シリーズの完結編に当たるオカルトホラー映画。
 (ちなみに「サスペリア2」は、邦題で2と付いてるだけでシリーズとは関係ありません。)

 シリーズ久々の続編という事と、スタッフもアーシア・エルジェント主演でクラウディオ・シモネッティが音楽を担当という『いつもの面々』なので、超期待して観てみたのですが…

 うーん、結果としては『えっ、ダリオ・アルジェントどうしちゃったの?』って感じでした。

 何と言いますか、とにかく『アルジェントらしさ』が殆ど感じられない内容です。

 低予算っぽいのでスペクタクルシーンや特撮がショボいのは致し方ないとしても、画面の見せ方も凡庸で過去作品のような『映像の鮮烈さ』が全く感じられない…

 映画の冒頭の博物館の職員が襲われるシーンは割と迫力があったのに、そのシーン以外は全く盛り上がりに欠けて、見所が殆ど無い。

 美少女を苛め抜くようなフェティッシュさも無く…トラウマになるようなエグいシーンやブラックな展開も無く…とにかく全体的に盛り上がりに欠ける内容で、何と言うか『ちょっとエグいシーンのある、凡作B級ホラー』に成り下がってしまったような感じ…

 アルジェント監督というと独自の映画哲学を持った『映像美』と『エグい演出』に定評がある監督だったのに、本作からはそういった部分が殆ど感じられませんでした。

 アルジェント監督も歳をとってしまったせいで、人間が丸くなってしまったんでしょうかねぇ?
 「マスターズ・オブ・ホラー」シリーズでは、結構優れた作品を撮ってたのに、ホントに『どうしてこうなった?』って気分ですよ…


 総評としましては、アルジェント監督という事を考慮に入れなければ『今ひとつ盛り上がりに欠けるけど、まあまあ観れる程度のゴア系オカルトホラー映画』って感じの作品です。

 ただアルジェント監督の新作で、ましてやサスペリア」シリーズの続編と考えると、どうにも『物足りない作品』としか言いようがありませんね。

 ファンの人ほど『ガッカリ度』が高くなってしまうと思いますので、『観ない方が良い』とまでは言いませんが、とりあえず『あまり期待せずに鑑賞する事』をオススメしますよ。

 もし、撮影の最中に何らかの原因で予算が足りなくなって『撮りたいものが撮れなくなった…』とかって理由でもあるんなら分からなくは無い出来なので、アルジェント監督に『もっと予算を潤沢に使わせて作品を撮らせてくれるパテント』でも付いてくれんもんですかねぇ…