■■■「スネーク・ダイヴ」■■■
(40点/生物パニック)
優秀な指揮官でありながら軍機違反の責任を問われて退役を間近に控えたオニール中佐は、上官から『とある任務を成功させれば退役を免れるよう温情措置を取る』と言う条件で任務を与えられる。
その任務とは新兵の訓練も兼ねて『沖縄から旧型の潜水艦を別の基地へと運ぶ』という、到って単純なものだった。
何の問題も無く完了する筈の任務であったが、上層部からの通信により任務の途中で『マンクー島という東シナ海の孤島へと立ち寄って科学者を乗艦させる』という追加の任務が発生。
女性科学者とその助手を乗艦させた彼らだったが、水兵の不注意により科学者達の持ち込んだ20匹の毒蛇が潜水艦内で逃げ出してしまい、艦内はパニックに陥ってしまうのだった…
潜水艦の内部に逃げ出した毒蛇の群れのせいで発生するパニックを描いた、毒蛇もの生物パニック映画。
まあ、一言で言ってしまうなら、『「スネークフライト」を『潜水艦』を舞台にして作ってみました』といった感じのお話ですね。
つっても映画の出来は、それ自体がB級映画である「スネークフライト」よりも更にチープな内容で、D級ぐらいのレベルの作品です。
飛行機よりも更に逃げ場の無い『潜水艦』を舞台にしたというアイデアは良いのですが、いかんせん予算が足りないのがまる分かりで全体的な作りがとにかくチープ。
どう見ても無害でおとなしそうなヘビを『危険な毒蛇』だと言い張って演技してるのですが、ヘビに全くやる気が無いので映像に迫力が無さ過ぎ…
襲撃シーンも本編を通して数える程の回数しかありませんし、上記の理由もあって『パニックシーンに緊迫感が全く感じられない』のは辛い部分でしょう。
ただ、お話そのものに関しては『観れる程度のレベル』でまとまっているのは、比較的マシな部分かな?
単純に毒蛇の登場する生物パニックのみでは間が持たないからか、中国の潜水艦との戦闘があったり、突然変異で巨大化した毒蛇が出てきたりと、視聴者を楽しませようとする努力の片鱗が見えるのは良い部分では無いかと思います。
むしろ中国海軍とのやりとりは、本編の毒蛇のパニックよりも緊迫感が感じられて面白い部分があったり、他にもドラマパートの方が気合が入って作られてるんじゃないかと思うような部分が多くて、果たして本筋じゃない部分の方が面白いって『生物パニック映画としてどうなんだ?』という気がしなくも無いです。
ただ巨大ヘビに関しては、特に見せ場も無く『出てきただけ』みたいな感じですし、全体として『生物パニック映画』として盛り上がる部分が全く無く、ラストもなんだかダラダラした感じで終わってしまったような感覚を受けたので、もうちょっと頑張って『生物パニック映画らしい見せ場』を用意して欲しかったかなぁ…
総評としましては、恐ろしくツマんなくは無いですが『敢えて誉めるような要素も無い』という、かなり『どうでも良い感じ』のB級というよりD級映画って程度のレベルの作品です。
唯一、マトモに観れる要素が『生物パニック以外の部分』といった感じなので、ぶっちゃけ『生物パニック映画』としては落第点って感じかなぁ?
「スネークフライト」みたいな悪ノリしまくった作品なら良かったのですが、そういうトンガったB級作品みたいなノリを期待してると、全く肩透かしな感じなので要注意ですよ。