NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「アミューズメント」(50点/スラッシャー)

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■■■「アミューズメント」■■■
(50点/スラッシャー)

 恋人のシェルビーと一緒に車でドライブ中に深夜の高速道路のサービスエリアに立ち寄ったロブは、そこで知り合ったトラックの運転手から、この先がの道路が長い区間に渡って渋滞していると知らされる。

 彼は、他のドライバーと一緒にトラックの運転手の案内で裏道へと向かうが、走行中に「HELP ME」というメッセージもってトラックから飛び降りて来た女性をはねてしまう。

 何らかの事件性を感じた彼は、女性の救助をシェルビーに任せてトラックの運転手を追跡するが途中で見失ってしまい、逆にその隙に何者かによってシェルビーが連れ去られてしまうのだった…


 ある殺人鬼に狙われた3人の少女のたどる運命を描いた、スラッシャーホラー映画。

 お話の構成がやや特殊で、最初は3本のオムニバスのホラーのような形式になっているのですが、先の3つのお話がラストで一つに繋がっていくというようなタイプの作品です。

 作りとしてはホントにオムニバスホラーって感じで、最初の3本は『まったく別のお話』みたいな感じで、最後のエピソードでその『3つのお話に関連があった事が分かる』って作りなのですが、なんというか話の作りがどうにも強引です。

 個々のお話は、演出も上手くて映像センスも良いのですが、全くセンスが異なるような内容でホントに『別のお話』って感じの作りになっており、序盤はその繋がりがサッパリ分からないので見てて少々イライラします。

 そして、最終的に3つのお話が『実は一つの事件でした』ってオチが明かされる訳ですが、犯行に全く一貫性が無くて、どう考えても同一人物の仕業とは思えないのはいかがなものでしょう?

 殺人鬼が3人の少女に異常なまでに執着するのも全く意味が分かりませんし、単なるショボいお兄ちゃんなのに、異常に大掛かりな仕掛けや設備を準備してたり、物凄く周到に計画してないと成立しないような犯行なのに、どう考えても全く計画性がなさそうなタイプだったりと、色々と設定に無理がありすぎです。

 肝心の殺人鬼のキャラクターにも全く魅力が感じられませんし、全体的な構成がに色々と問題がありすぎ…

 個々のお話は割と面白くて、演出なんかもなかなか良い(ピエロのお話とか、結構怖かった)のですが、このお話を無理矢理に一つのお話に結びつける必要は無かったんじゃないかなぁ?

 むしろ『色んなタイプのホラーを撮りたかったんだけど、無理矢理くっつけたら破綻しちゃいました』という雰囲気が拭えない内容なので、素直に『個別の設定のオムニバスホラー』という形式にしてた方が、まとまりも良くて面白くなってた気がするのですけどねぇ。

 まあ、この強引な設定とストーリー展開さえ無ければ、割と良いセンスを持った監督さんだと思うので、次回作では『普通のホラー映画』を撮ってくれる事に期待したいところですよ。


 総評としましては、作品としては見るべきところはあるものの全体を通して見ると『なんじゃコリャ?』って感じになってしまうという、ちょっと残念な感じの作品です。

 ただ、映像のセンスや演出は『なかなか良いレベルに達している』と思うので、単純にスラッシャーホラー映画が好きであれば『とりあえず観ておいても損は無いかな?』って感じのタイトルではありますね。

 突出した個性は無いですがストーリー以外はソツの無い感じの作りなので、普通に『そこそこ観れるレベルのスラッシャーホラー』が観たい人であれば、まあまあオススメ出来る一本だと思いますよ。