NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「巨大クモ軍団 vs Go!Go!ダンサーズ」(12点/モンスター)

イメージ 1

■■■「巨大クモ軍団 vs Go!Go!ダンサーズ」■■■
(12点/モンスター)

 「ゴー・ゴー・ザウルス」という場末のストリップ・バーの踊り子であるクリスタルは、同僚のアンバーやトリックスらと共に、今日も客の殆ど居ないステージで踊りを披露していた。

 しかしそんなある日、バーテンダージーナがサイズが手のひらほどもある奇妙なクモに血を吸われるという事件が発生する。

 この正体不明のクモは、オーナーであるラルフは、ストリップ・バーを経営する金策の為に、怪しげな売人から買い付けたドラッグのケースに紛れ込んでいたものだと判明。

 彼らは害虫駆除業者であるバズを呼んで駆除を依頼するが、彼はこのクモが『アリゾナの軍の実験場跡』で成長した突然変異種ではないかと推測し、店内で増殖を開始する前に退治しようとするが、このクモは人間の血を吸って大量に増殖するという特殊な性質を持っていたのだった…


 場末のストリップ・バーに出現した巨大グモとストリッパーとが対決するという、コメディ風味のモンスターホラー映画。

 「フロム・ダスク・ティル・ドーン」以来、場末のストリップ劇場に吸血鬼が出現したり、ゾンビが出現したり…という感じのネタが流行っているようですが、本作もまあ同じような系列の二番煎じな作品ですな。

 まあ別に所詮はB級ホラーですし、二番煎じだろうが何だろうが構わない訳ですが…

 そういう妥協出来る部分を差し引いても、コレは久々に『存外に酷い映画』でした。

 いや何が酷いって、タイトルに『巨大クモ軍団』って書いてあるのに、とにかくこのクモ軍団がサッパリ出てこない!!

 全体で80分強ぐらいの尺の映画なのですが、クモがマトモに登場するのはラストの10分程度。

 当然『パニックシーン』なんて呼べる程の山場は全く無くて、ホントに結末の5分ぐらいで申し訳程度に巨大グモが登場するみたいな感じです。

 じゃあ、残りの時間は何をやってるかというと、ストリッパー達と『頭のおかしいオーナー』とか『頭のおかしい害虫駆除業者』とか『頭のおかしい麻薬捜査官』とのやり取りのコメディを延々と見せられるだけです。

 まあこのコメディが『それなりに観れるレベル』ではあるので、途中で寝てしまう程の酷さでは無いのですが、だからと言って別段面白いという程のレベルでも無くて、むしろ『我慢できなくは無い』って程度の内容。

 つか、『別に俺はストリッパーが主役のコメディを観たくて、この映画を借りた訳じゃ無いから!』と真剣に言いたくなりましたよ…

 クモ軍団の登城する山場のシーンも超ショボショボな特撮で見所なんて全く無くて、ラストシーンは何故か今どきストップモーションアニメ』で撮影された巨大生物と対決するというアナクロっぷりだし、オチに関しても『オチてんだか何なんだか?』って感じの思いっきり投げっぱなしな終わり方…

 いやまあ、どれもZ級の映画では良くある事と言えばソレまでなんですが、それにしても内容が『登場人物の軒並み全員が頭がおかしくて、それをコメディにしてるだけ』というのは如何な物かと…

 ここまで『頭がおかしいキャラ』のオンパレードだと、お話が破綻してて『どこで笑えば良いのか戸惑うシーン』が多すぎて、流石に困惑してしまったので、『コメディを撮る』にせよ『ホラーを撮る』にせよ『もうちょっと文法に沿って作れよ…』と言いたかったです。


 総評としましては、タイトルを観た印象そのまんまの『箸にも棒にも引っかからないレベルのZ級ホラー映画』といった感じの作品でした。

 まあガマンすれば観れないレベルでは無いのが救いですが、ホラーとして面白い内容かと言われると『コレは無いわ…』としか言いようが無いような一本ですな。

 まあ『ツッコミ用のネタ映画』として観るならば、それなりに笑える部分もありますので、『地雷と分かってても、ネタとして敢えて踏みに行きたい』という奇特な人はどうぞ…