（６５点／ラブスートリー）
砂漠の街・フェニックスから、霧の街であるワシントン州のフォークスという片田舎の街へと引っ越してきたベラは、転校先の高校で不思議な雰囲気を持つ美男子のエドワードと出会う。
彼との出会いに運命的なものを感じた彼女は、お互いに惹かれあっていくが、エドワードの一族には恐るべき秘密があった。
彼らは人間を襲わずに動物の血液だけを飲んで、人間の世界に紛れて生活するという、太古から生き続けるヴァンパイアの一族だったのだ…
人間の少女とヴァンパイアの青年との禁断の恋を描いた、ファンタジーホラー風味の恋愛映画。
海外でティーンエイジャーを中心に大ヒットを納めた作品だとの事ですが、それも納得という感じの非常に『若者向け』の内容の作品です。
マンガ的というか何と言うか…こういう表現が海外でもあるのかどうかは分かりませんが、良くも悪くも非常に『中ニ病的』なお話で、スーパーパワーを持った正義のイケメンのヴァンパイアと平凡なヒロインとの禁断の恋やら、悪のヴァンパイア一族との対決やら…とにかく痛々しいまでに『ありがちなティンエイジャー向け設定』が詰め込まれた感じなんですが、そのコテコテっぷりが逆に心地よいです。
お話のテンポも非常に良くて、サクサクとメインのストーリーが進みつつも、ヴァンパイア同士が野球で対決したりするコメディっぽいシーン（空の彼方までカッ飛ばしたホームランをスーパージャンプでキャッチしたり）があったりと、若者ウケしそうな『楽しい要素』がギュッと詰め込まれた印象。
また、終盤では敵対するヴァンパイア一族との対決シーンがあったりして、盛り上げるシーンもキチンと用意してる辺りもなかなかツボを心得ており、『ティーンエイジャー向けのありがちな設定』を非常に丁寧に『子供だましにならないレベル』まで昇華させた感じで、若者じゃなくても十分に楽しめるレベルに仕上がっているのは良いですね。
ただ、全体的に上手くまとまっている作品だとは思うのですが、アクマでメインは恋愛映画という事もあってか、終盤の対決シーンとかが今ひとつ盛り上がりに欠けるのは残念なところかなぁ？
あと『続編を作る気まんまん』な終わり方なので、ラストがちょっと物足り無さを感じるのと、いくつかの伏線が全く回収されてないので、本作だけ見ると『ちょっと中途半端な印象』を受けてしまうのは残念なところかも？
ちなみに本作は３部作の予定というウワサですので、まあ『詳しく知りたければ続編も観てね』って事ですかね…
ビデオに既に次回作の予告編のトレイラーが収録されており１１月だかには劇場公開されるようですし、回収されてない伏線っぽいのが出てくるシーンもあるようなので、素直に続編を楽しみにしたいところですよ。
総評としましては、ティーン向けがメインではあるものの総じて『良く出来たファンタジーホラー風味の恋愛映画』だと思います。
どちらかというと、ノリ的に漫画的なテイストが強い作品ですので、少女漫画的な『恋愛ホラー』とか『コメディホラー』とかの系列の作品が好きな人であれば、ごく普通に楽しめる内容だと思いますので、そういう系列の作品が好きな人であれば十分に観る価値のある映画ではないかと…
ホラー好きや恋愛映画好きな人よりも、アニメとかマンガとかが好きな層にウケが良さそうな作品ですので、そういうノリに抵抗が無い人ならばオススメの一本だと言えるでしょう。
