■■■「ウォッチャーズ」■■■
(55点/サスペンス)
高校時代にフットボールの花形選手だったマイクは、奨学金を得てシカゴの大学に進学していたが、クリスマス休暇にガールフレンドのエリザベスを連れて故郷のペンシルバニアへと帰省する事となる。
彼は帰省先で高校自体に付き合っていたシェルビーと再会するが、シェルビーは未だマイクと別れたとは思っておら無かった事から、新しい彼女の存在に激しくショックを受けてしまう。
そしてその日の夜、自宅へと帰る途中に偶然にもエリザベスを車で跳ねてしまったシェルビーは、彼女を自分の家へと監禁する事を思いつくのだった…
嫉妬に狂った女性がふとしたきっかけから元カレの恋人を監禁する事になるという、恋愛映画風味のサスペンス映画。
事故で怪我をした相手を監禁するという、いわゆる『監禁もの』で「ミザリー」っぽいノリを意識した作品っぽいのですが、まあ何と言いますか割と『普通のサスペンス映画』ですな。
監禁する相手が昔の彼氏の恋人という設定で、ラブストーリーっぽい要素もあるのですが、このラブストーリーを含めたサスペンス部分に重きが置かれている感じの内容です。
このストーリー部分が割と丁寧に作られているので、お話としては退屈しないのですが、サスペンスとしての緊張感は弱い感じ。
ヒロインもどちらかと言うと『元彼氏とのヨリを戻す事』に執着している感じで、『監禁もの』の割には狂気的な物があまり感じられません。
一応、ヒロインがかつて『重病で看護していた母親を毒殺した』という設定はあるのですが、それも悪逆非道というよりも『過去に色々あったんだろうなぁ』というのを連想させるような設定で『狂気の殺人鬼』って印象は無いですしね…
お話そのものは割と面白いですし、作品のテンポも良いので退屈はしないのですが、ラスト直前まで『盛り上がるシーン』に今ひとつ欠けて、クライマックスも『え、それで終わり?』というようなアッサリ風味。
いわゆる2時間ドラマ的な『色恋沙汰の絡んだサスペンス』という点では良く出来ているのですが、ホントにそれだけの映画って感じの作品ですねぇ。
予告編では「氷の微笑」+「ミザリー」みたいな事を言ってたのですが、むしろそれらを足して3で割ったぐらいの薄味な印象の映画でしたよ。
総評としましては、『監禁ものサスペンス』として観ると『どうにも物足りない印象』ですが、『恋愛ものサスペンス』として観ると『そこそこ及第点レベルの作品』といった所でしょうか?
全体的に悪い部分はあまり無いのですが、今ひとつ盛り上がりに欠けてパンチに欠ける作品といった感じの内容でした。
別にツマんない内容では無いので、2時間ドラマ的な作品が好きな人ならごく普通に楽しめるレベルの作品だと思いますので、主演女優のミーシャ・バートン(TVシリーズ「The OC」のヒロイン)に興味があるとかであれば、観ておいても損は無い1本だと思いますよ。