■■■「バッド・バイオロジー 狂った♂♀(ヤツら)ども」■■■
(30点/ポルノホラー)
特異体質で異常に強い性欲を持ち、セックスの度に異常なまでの興奮状態に陥り時には相手を殺害してしまうという性癖を持つジェニファーは、常に見合うセックスのパートナーとなり相手を求めて探し続けていた。
そんなある日、彼女は自分のペニスに異常なまでのコンプレックスを持ち、ペニスにステロイド注射を続けたせいでペニスが突然変異し怪物化してしまったバッツという男性と出会う。
彼の隠された境遇を知ったジェニファーは、彼こそが自分のパートナーとなる男性だと感じ、彼に惹かれるようになって行くが…
カルトホラーとして有名な「バスケットケース」のフランク・ヘネンロッター監督による、久々の新作にあたるポルノホラー映画。
何と言いますか、設定とかストーリーとかその他に色々とツッコミどころはあるのですが、それよりも何よりも『ヘネンロッターって、まだ映画監督をやってたんだ!!』ってのに驚きました。
いや、20年ぐらい前からスッカリ名前を聞かなくなってたので、今頃になってこの監督の作品にお目にかかれるとは思いもよりませんでしたよ…
内容に関しては、ポルノホラーという事もあってマトモな中身は無い作品です。
ストーリーらしいストーリーも無いですし、オチに関しても『何じゃそりゃ?』と言う以外に言いようが無いような訳の分からない終わり方ですし…
ただ、2人の主人公のキャラクターはなかなか魅力的ですし、ストーリーが全くないながらも『お話を退屈させずに見せる構成の上手さ』はなかなかの物ですね。
下らないと思いつつも、普通に先の展開が気になってマジメに観てしまいましたよ。
相変わらずの趣味の悪い内容で、下らない下品なネタと映像センスは、かつての怪作を撮ってた頃の片鱗を感じさせる部分もあり、ヘネンロッター監督の作品が好きであれば、色んな意味で楽しめるレベル。
過去にも売春婦が人造人間として蘇る「フランケンフッカー」とかって映画を撮ってましたし、この監督ってこういうノリが好きなんですかね?
終盤のペニスが体から分離して勝手に女性を襲うという展開とか、『どこのエロマンガだよ?』って感じで、ちょっと笑ってしまいましたよ。
総評としましては、掛け値なしに『物凄く下らないホラー映画』なんですが、ある意味で『下らない事が持ち味』になってる作品ですね。
『下らなさを楽しめる』タイプの人ならば、Z級の地雷覚悟でネタ映画として観る分には割と楽しい映画だと思います。
ただし、マトモな『ポルノ映画』や『ホラー映画』と思って鑑賞したら、ショックで頭が膿んでしまうかもしれないので、アクマで馬鹿なネタを楽しむ方向で…
あとヘネンロッター監督のファンであれば、色んな意味で見所のある作品ではあると思うので、その手の人種の人ならば観ておいて損は無いでしょう。
個人的には、久々にマトモなホラーも撮って欲しい気もしますが…でも、こんな妙な映画を撮ってるような監督では流石に需要が無いのかも?