■■■「ダーク・オブ・ザ・デッド」■■■
(50点/モンスター)
全世界で新型の『H5N13』型の鳥インフルエンザウィルスが大流行するが、生物学者のベルゲン博士によって特効薬が開発された事でパンデミックはなんとか抑制された。
しかしウィルスの研究を続けていたベルゲン博士は、自宅で唐突に謎の不審死を遂げる。
ベルゲン博士の孫であり医学生でもあるロバートは、遺産相続のため博士の自宅へと向かう事となり、博士の残した研究資料により『ウィルスが突然変異によってカラスの死体の中で増殖し、死体がゾンビとして蘇るという奇妙な現象が発生している』という事実を知るが、新型のウィルスは既に人間にも感染をしはじめていたのだった…
新型インフルエンザのウイルスの突然変異によって生物がゾンビ化するという設定の、生物パニック風のモンスターホラー映画。
鳥インフルエンザとか最近の流行っぽいものも取り入れては居ますが、中身に関してはオーソドックスな『閉鎖環境型のゾンビ映画』ですね。
『町外れの屋敷で外部から侵入してくるゾンビと戦う』って設定や雰囲気が、どことなく「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」を彷彿(ほうふつ)とさせる部分も…
ゾンビものの映画にしては割とドラマ部分がシッカリとしており、久しぶりに帰郷した主人公が過去の恋人と再会したり、高校時代に敵対関係だった旧友と出会ったり、医学生の友人間で確執があったりと人間関係の設定が細かく描かれているお陰で、ドラマ部分を見ているだけでもそこそこ楽しめます。
逆にゾンビの襲撃部分はあまり多くなく特撮もたいしたレベルじゃないので、実際のところオマケ程度の扱いみたいな感じかな?
ドラマに力が入ってるだけにお話自体は面白くてホラー映画としての雰囲気も良いのですが、ゾンビ映画としては全体的に盛り上がる部分が少なくて、迫力に欠ける印象が拭えないのが残念なところでしょう。
(全編通して出てくるゾンビの数も10人程度とかなり少なめですしね…)
あとドラマ部分が面白いのに、ラストがちょっと投げっぱなし的な説明不足で唐突な終わり方なのは勿体無いです。
もうちょっとキレイな落とし方をしてれば、全体的な印象がもっと良くなったと思うのですが…
総評としましては、お話そのものは面白いけど『ゾンビ映画として見ると物足りなさを感じる』という、なんとも惜しい感じの作品です。
『ホラー映画でもドラマ部分やストーリーがシッカリしてないと嫌だ』というタイプの人ならば、割と楽しめる作品かもしれませんが、逆に『モンスターの出番が多くないと嫌だ』という人は物足りなさを感じでしまうでしょう。
全体的に地味な印象の作品ですので雰囲気重視な作品が好きな人ならば、そこそこ楽しめる作品ではないでしょうか?