■■■「ブラック・ウォーター」■■■
(50点/生物パニック)
クリスマス休暇を利用して北オーストラリアにある母親の自宅を訪れたリーと、姉のグレースとその恋人のアダムは、その帰り道に3人で川釣りのツアーに参加する事となる。
ガイドと共に小型のボートで沼地へと向かった4人だが、釣りを始めたと同時に巨大なクロコダイルがボートの底を直撃しボートを転覆させられて、水の中へと投げ出されてしまう。
襲撃してきたワニによってガイドが食べられてしまった混乱の中で、何とか木の上へと逃れた彼らだったが、ほぼ救出の訪れる望みの無い状況を打開するために脱出の手段を画策するが…
オーストラリアで実際に起こった事件を基に作られたという、生物パニックホラー映画。
最近流行りの、いわゆる『実話をベースとした…』系のパニックホラー映画ですが、本作もまあひと言で言ってしまうなら『ワニ版「オープン・ウォーター」』って感じのお話ですね。
完全に「オープン・ウォーター」の後追いの作品なのですが、何が潜んでいるかが全く分からない『濁った沼の水』がかもし出す不気味さはなかなかのもので、得体の知れない雰囲気が良い味を出していると思います。
ただ、ストーリーとしては『川釣りに来た3人の男女がワニに襲われて木の上に逃げこむ』というホントにそれだけの内容で、登場人物も多くなくて舞台も『沼地の木の上』という事で、お話に動きが少なくて殆どの部分が会話劇なので、正直言ってちょっと退屈。
基本的に場面転換も無くて盛り上がるシーンも少なく、あからさまに「オープン・ウォーター」を意識しているシーン(深夜に嵐が訪れるシーンとか…)とかもあったりして、焼き直しにしか感じられない部分が多く新鮮味が全く感じられないのが難点かも?
あと、海のど真ん中に放置された「オープン・ウォーター」と比べると、本作は単純に『木の上から降りれなくなってるだけ』なので、あんまり危機感や絶望感が感じられない辺りが本作をちょっと『退屈』と感じさせている部分ですかね?
この作品に独自性がもっと持たられているか、『見せ方』や『演出の仕方』にもう一工夫あれば、ネタとしては『もっと面白くなったんじゃないか?』と思うので、正直言ってちょっと残念な作品でした。
総評としましては、出来そのものはそれほど悪くは無いんですが、ホントに『「オープン・ウォーター」がワニになっただけの映画』って感じの内容なので、『「オープン・ウォーター」を見た事のある人が観る価値のある作品か?』と言われると微妙なところ…
『実話に基づいた…』系のシリーズが好きならば、まあ観ておいても損は無いとは思いますが、単純に生物パニック映画が好きなだけの人が観るには、ちょっとパンチの弱い感じの作品ですね。
せめて、もっとワニの出番が多ければなぁ。
まあ、そういう『実話系パニック映画のノリの作品が好きならばお好みで』って感じでしょうか?