NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ウォーター」(65点/オカルトサスペンス:結構オススメ)

イメージ 1

■■■「ウォーター」■■■
(65点/オカルトサスペンス:結構オススメ)

 幼い頃に別れた祖父の屋敷を引き取る事となり、15年ぶりにドイツの片田舎の故郷へと戻ったフィリップは、そこで幼なじみのヘルマ達と再開する。

 フィリップは彼女から、この街にかつてから伝わる、先祖が干潟で殺人を犯した際にその孫のもとに訪れるという伝説の亡霊『ゴンガー』に関する夢を見たという事を告げられ、このままでは彼の友人たちが殺されてしまうと言う話を聞かされるが…
 果たして彼女の予言どおりに、友人の一人が『水気の無い公園で溺死する』という怪事件が発生。

 彼らは『ゴンガー』から身を守る為に、その原因と思われる夢に現れた『目隠しをした少年』の正体を調べ始めるが、やがて、かつて彼らの祖父たちがこの町で犯した恐るべき罪の秘密を知る事となるのだった。


 干潟で殺された人間が2代祟って孫たちに復讐を行うという『ゴンガー』という亡霊の恐怖を描いた、オカルトサスペンス映画。

 祖父たちの犯した罪のせいで子孫たちが亡霊に襲われて、その事件を究明するために奔走するというミステリー要素のあるお話なのですが、ホラーとしては今ひとつなんだけどミステリーとしてはなかなか面白いです。

 単に祖父たちの過去に犯した罪を暴くだけの話かと思いきや、意外なところで関係の無さそうな事件が繋がっていたり、本編とは全然関係のなさそうな演出が実は伏線だったりと、B級作品としては想像以上に凝った作り。

 詳しくはネタバレになってしまうのでストーリーについては語りませんが、二転三転する先の読めない意外性のあるお話で、『あ、アレってそういう意味があったんだ。』って感じの予想外の展開が面白いです。

 ただ肝心の『ゴンガー』がビジュアル的に特に不気味なわけでもなく、ショッカー的な演出は若干あるものの恐怖演出も月並みで、襲撃シーンがちっとも怖くないのは困り者。

 亡霊の襲撃方法も、単に『ゆっくりと近寄ってきて触れるだけ』なので、主人公たちが命がけで襲撃から逃げているシーンでも、特に緊張感が感じられずにビジュアル的なインパクトが非常に薄いんですよね。

 お話は面白いだけに、そちらが『もうちょっと力の入った作り方』をされてれば、なかなかの名作になったと思うのに、ちょっと勿体無い感じです。

 クライマックスの謎解きシーンとかも妙に淡々としてるので、全体的にもう一捻り盛り上がる工夫が欲しかったかなぁ?


 総評としましては、ストレートすぎるタイトルや地味そうな印象に反して、なかなかどうして意外に良く出来た作品です。

 ミステリー要素の強いオカルト映画とかのジャンルが好きであれば、想像以上に楽しめるレベルの佳作ではあると思うので、その手の作品が好きな人ならチェックしておいても損は無いでしょう。

 逆に「呪怨」や「リング」みたいな『怖い幽霊の描写』に期待してると、ちょっと肩透かしを食らうレベルなので、そっち方面はあまり期待しないで観る方が良いかもしれません。

 お話そのものは面白いので『意外性のあるホラー映画』を求めている人なら、なかなかオススメの作品だと思いますよ。