■■■「エイリアン パンデミック」■■■
(40点/モンスター)
牧場を経営するダンと牧場専属の獣医のオーラは、とある企業の極秘の牛の遺伝子操作実験中の『出産を控えた牛』の子宮を触診した際に、子宮の中に居た何者かに手を噛まれるという奇妙な事故に遭遇する。
その日の深夜に実験の牛が出産する事となったダンだったが、牛が難産を起こしてしまい、一人での出産の立会いが困難になった事から、偶然にも牧場の前にキャンピングカーを駐車していたメアリーとジェイミーという若いカップルの力を借りる事となる。
かくして、ダンは無事に子牛を出産させる事に成功するが、生まれた子牛の様子が異常だったことから獣医のオーラが牛を殺処分して解剖してみたところ、生まれたばかりの子牛が何故か『ヘビのような姿の畸形の奇妙な生物』を妊娠している事に気付く。
彼らは調査の為に、その『奇妙な生物』の死骸を冷蔵庫へ保管するが、解剖により取り出された『奇妙な生物』は死んではおらずに、新たなる宿主を求めて増殖を繰り返していくのだった…
遺伝子操作によって作られた『ヘビのような畸形生物』が増殖を繰り広げるという、モンスターホラー映画。
「エイリアン パンデミック」とかってタイトルが付いておりますが、実際には「エイリアン」なんてものは登場せずに、遺伝子操作で作られた『ヘビみたいな怪物』が増殖感染を繰り返すというお話ですね。
ただ、その『ヘビみたいな怪物』が増殖する際に、「エイリアン」のチェストバスターみたいに『宿主のお腹を食い破って出てくる』事から、なんとなくタイトルに「エイリアン」と付けて見たって感じですかね?
ちなみに、その『ヘビみたいな怪物』も単に『骨ばったヘビ』みたいな姿をしており、パッケージみたいな怪物は全く登場しないので、まあパッケージ詐欺も良いところですな。
まあ、それはさておき…お話の方は全体的に非常に『スローテンポで地味な感じのお話』です。
怪物が登場するまでの序盤の雰囲気作りとかはなかなか良いのですが、登場人物が少ないせいでホラーの見所となるシーンも少ないです。
お話の方も、怪物よりも『登場人物たちの人間ドラマを中心としたサスペンス』がメインとして描かれており、そこそこ緊迫感はあるのですが全体的にどうにも盛り上がりに欠けます。
ドラマが中心の割には、主人公とヒロインとの関係とか、遺伝子操作の実験を行っていた企業の『真の目的』とか、逃亡中のカップルたちのキャラの背景とかも最後まで良く分からないままですし、別に全てを説明する必要は無いですがあまりにも説明不足な部分が多くて全体的に中途半端な感じなんですよね。
その辺がハッキリしないまま淡々と物語が進んでいくので、今ひとつ登場人物に感情移入できずに盛り上がりきらないままお話が進む印象があったので、ドラマを中心に描くならその辺をもう少しシッカリと描いて欲しかった感じです。
怪物も登場シーンが少なくて『怖さ』が伝わりづらいですし、雰囲気が悪くないだけに全体的にもう少し『分かりやすく』作られてれば、そこそこ観れる作品になったかもしれないので、その辺は残念なところですかね。
総評としましては、地味な内容だけど雰囲気は良いので『とりあえず見れなくは無いレベル』のモンスター映画には仕上がっている印象です。
ただ、本作ならではのウリとなる部分が少なく本作を敢えて推すような要素も無いため、他人にオススメするにはあまりにも弱いという微妙な作品かなぁ?
もうちょっと『盛り上がるシーン』なり『見所』なりがあれば、そこそこ面白い作品になったと思うので、そういう意味では少し残念な作品ですね。
まあ、途中で寝てしまうほどツマんなくは無いレベルの作品なので、雰囲気重視のモンスターホラーとかが好きならば『オススメはしないですが、止めもしません…』ってレベルの1本ですかね?