■■■「マーターズ MARTYRS」■■■
(60点/監禁サスペンス)
1971年のフランスの郊外のシャンフォールという町の路上で、リュシーという一人の少女が衰弱しきった状態で保護される。
警察や精神科医達は、廃工場で監禁されていた彼女に『誰がこんな事をしたのか』を問うが、心の傷の癒えない彼女の口からは、結局犯人の手がかりを得ることが出来ずに終わる。
それから15年後、心の傷のまだ癒えないリュシーは、かつて彼女をこんな目にあわせたと思しき人物を発見し、その人物への復讐を果たそうとするが…
正体不明の少女監禁事件をモチーフとした、フランス製の監禁ものサスペンスホラー映画。
うーん、何と言いますか『ひたすらエグい映画』ですな。
やっぱヨーロッパ系のホラーは、ノリがちょっと変な作品が多いのかなぁ?
良くも悪くも、非常に『ヨーロッパ系ホラー』らしく、かなり『独特のノリ』&『酷いお話』といったテイストの作品です。
最初は『かつて監禁されて精神の壊れた少女が復讐をするバイオレンス系ホラー』なのかと思いきや、中盤からちょっと予想外の『監禁サスペンス』的な展開に…
ストーリーも有るような無いような内容で、『殉教(MARTYRS)』をネタとして扱うブラックユーモアのセンスや、容赦ないヒロインの自傷行為の表現など、それなりに面白い部分もあります。
ただ、全体的に救いが無いお話ですし、矢鱈と無駄にエグいパートが多いので、楽しめる部分以上に『見続けるのが苦痛』な部分が多いのは難点ですね。
とにかく『酷い映画』なので、そういうのが苦手な人が観たら途中で心が折れてしまうかも?
でも、オチとかも酷いオチではあるものの、割とカタルシスがあって面白い落とし方だとは思うんですけど…
どうでもいいですが、欧州系のホラー映画って基本的に『救いが無い話』が物凄く多い気がするんだけど、そういうノリの方がウケが良いんですかねぇ?
別にそういうオチも嫌いじゃないのですが、序盤で『救いの無さ』が見えてしまうと、途中を見続けるのがちょっと苦痛になってしまうのって私だけですか?
総評としましては、良くも悪くも『とにかく色々と酷い映画』って感じのノリの作品です。
プロットや設定はそこそこ面白いと思うのですが、酷く心の壊れたヒロインや、酷い目にあわされるヒロインの扱いに耐えられるならば、それなりに観ておく価値のある作品だと言えるでしょう。
…というか、むしろそういうノリが好きな人ならば、そこそこ楽しめる作品ではないかと思いますので、S属性の持ち主で酷く救いの無い話が大好きだと言う人であれば、割とオススメ出来る作品かもしれません。