■■■「恐怖のモンスターパニック 吸血巨大ヒル襲来!」■■■
(15点/生物パニック)
アメリカの片田舎にある自然保護区の沼地を管理する新人の森林保護官のスコットは、恋人のグレイシーと一緒に沼地の周辺を散歩している最中に一人の男性の死体を発見する。
死体は何者かによって全身の血液を抜き取られており、死体の検死を行った検視官のよると『何らかの野生生物の仕業ではないか』という分析が行われる。
最初は検視官の報告に半信半疑だった彼だったが、やがて、湿地で巨大ヒルに2人の人間が襲われるのを目撃したという男性が現れ…
沼地に唐突に出現した巨大ヒルが人間達を襲うという、モンスターパニックホラー映画。
タイトルはアレな感じですが、意外とマトモな内容で普通に作られた生物パニック映画です。
ただし、『もし今が1960年台なら』という前提付きですが…
いや何と言いますか、物凄く50~60年代のテイストの溢(あふ)れる作品です。
『フィルムの画質の汚さ』や『脚本の適当さ』、『音楽のチープ』さに『特撮のショボさ』等々、どこを取っても60年代に遜色の無いレベルで、『これは60年代の映画だ』と言って見せれば10人中9人は信じてしまうような作品でしょう。(途中で主人公達が携帯電話を使うシーンとかがあるので、その辺で60年代じゃないと気付くかも?)
っていうか、こんな映画を今時作っていったい誰が得をするんだよ!?
画像も物凄く汚いし、特撮も超ヘボくて肝心の巨大ヒルがどう見ても『単なるヒルの形をした手袋』にしか見えないレベル。(まあ、実際に単なるハンドパペットなんですが…)
ストーリーも物凄く適当で、巨大ヒルが出現した理由もマトモに解明されないですし、ラストまで盛り上がるようなシーンも緊張感も一切無し。
オチも物凄く投げっぱなしな上に『全くオチてないような結末』で、まさに60年代のB級のクズ映画のレベルです。
しかも60年代風を狙ってるっぽい割には、特に当時の作品にオマージュを感じるような部分も無し、パロディとなっているような要素も無しで、純粋に『物凄くショボいだけの映画』になってしまっており、いったい何が狙いでこんな映画を作ってしまったのか本当に理解不能でしたよ。
実は『監督が過去から未発表フィルムを携えてタイムスリップしてきた』と言われたら、『ああ、そうだったのか!』と納得してしまうかもしれません…
いやマジにコレならば、同じ『巨大ヒル映画』でも「ザ・ヒル」でも観た方が、色々とネタになる分だけ、まだマシかも?(いや、あっちも大概クズ映画でしたけど…)
総評としましては、面白いとか面白くないとか言う以前の問題として『こんな物をいまどき見せられても、どないせえっちゅうんじゃ!?』としか言いようの無いような、どうしようもない作品です。
流石にZ級ホラーが好きな自分でも、この作品はどう評価したら良いのか対応に困ってしまうレベルですよ。
手が付けれないほどツマんない訳でも無いですし、ネタ映画として面白い部分がある訳でも無いですし…今が50~60年代ならアリかなとも思えるのですが、懐かしいテイストを楽しむ為にこの映画を観るぐらいだったら、素直にその頃に作られた作品を観るよ…って感じ。
誰かを欺いて『60年代の映画だよ』と言って見せるぐらいしか価値を思いつかない作品なので、ぶっちゃけ時間を無駄にしたくなければ普通にスルーしてしまって良い作品ではないかと…