NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ムーン・オブ・ザ・デッド」(40点/モンスター)

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■■■「ムーン・オブ・ザ・デッド」■■■
(40点/モンスター)

 中国に古代から伝わる言い伝えでは、七番目の満月の夜に地獄の門が開き死者が『餓鬼』として蘇るという伝説があるという。

 アメリカ人の新婚カップルであるメリッサとユルは、新婚旅行でユルの実家のある中国へと訪れる。

 地元のガイドの案内でユルの祖母が住む村を目指していた彼らは、ガイドが道に迷ったせいでとある寂れた村へと到着する。

 不自然に門戸を閉ざして静まり返った深夜の村で動物達が生贄に捧げられているのを発見した彼らは不気味さを感じて村から逃げ出すが、その先で深夜の道路で何者かに襲われて倒れている一人の男性を発見。

 彼の口から伝説の『餓鬼』が実際に存在するという驚くべき事実を知らされるのだった…


 中国に新婚旅行に行った若いカップルが、旅行先の寂れた村で蘇った死者の群れに襲われるという、モンスターホラー映画。

 先日も当サイトで、中国の風習である『鬼月』(日本で言うところの『お盆』みたいなもの)を題材とした、そのものズバリの「鬼月」という映画のレビューを書きましたが、今回も同じく『鬼月』をネタとしたホラー映画ですが…

 なんなんでしょうか、たまたまネタが被るようなものでも無い気がするのですが、ハリウッド方面で『鬼月』ネタが流行ってるんでしょうかね?

 今回は『鬼月』の夜に死者が『餓鬼』となって帰ってくるという設定のお話なのですが、『餓鬼』のイメージは全身白塗りで獣のような外見をしており、『ゾンビ』というよりは『グール』というイメージに近いかも?

 お話の中身としては、基本的に2人の若いカップルが『ひたすら餓鬼の群れから逃げ続ける』という殆どそれだけのお話ですが、不気味な雰囲気の出し方や、緊張感のあるスピーディーな演出と展開のお陰で、途中で退屈するような事もなく、中身の無い割にはなかなか良く出来た作品だと思います。

 が、中盤ぐらいまではそんな感じでなかなか面白いのですが、終盤からは唐突に『意味不明の超展開』に突入してしまい、『何じゃそりゃ?』というようなお話に…

 オチもオチてんだか何なんだか良く分からないような『投げっぱなしな終わり方』ですし、そもそも『一人が生贄になれば済む』ってお話ならば、途中で『餓鬼』に拉致されたお兄ちゃんはいったい何だったのか?とか…何かもう、色々とツッコミどころ満載です。

 途中までは面白かったので、オチさえシッカリしてれば良作になったと思うんですが、もうちょっと何とかならんかった物かなぁ?

 あと、主人公たちがモンスターから走って逃げるシーンで、カメラが矢鱈と上下に揺れるのはどうにかして欲しかった、臨場感を出すための演出なんだろうけど、画面が暗いシーンが多い上に物凄く視線が揺れるもんだから、途中でちょっと画面酔いしそうになりましたよ。

 つか、そこまで画面酔いしやすいタイプじゃないのですが、本編の半分ぐらいは『そんな感じのシーン』なので、流石に辛かったですよ…


 総評としましては、途中までの雰囲気やテンポは良いんだけど『オチはちょっとなぁ…』って言う、B級作品にありがちなオチで微妙になっちゃう映画って感じの作品ですね。

 オドロオドロしい雰囲気の『古き良きタイプのオカルト風のゾンビ映画』が好きな人ならばそこそこ楽しめる作品だと思いますので、そういうノリが好きならば観ておいても良いレベルの作品じゃないでしょうか?

 後は『オチが投げっぱなしでも許せる寛容な心』があれば、割と普通に楽しめる作品だと思いますよ。