NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「パラサイト・バイティング」(65点/モンスター:結構オススメ)

イメージ 1

■■■「パラサイト・バイティング」■■■
(65点/モンスター:結構オススメ)

 メキシコにリゾートに訪れていた、エイミー、ジェフらの4人のアメリカ人の若者らは、現地で知り合った青年の案内でジャングルの奥地の地元でもまだ知られていないという『古代のマヤの遺跡』へと探検に向かう事となる。

 彼らはジャングルの奥地に隠された遺跡へと辿り着くが、彼らの前に何故か唐突に『武装した地元民の集団』が現れ仲間の一人が地元民によって問答無用で射殺されてしまう。

 地元民の攻撃を逃れて遺跡の中へと逃げ込んだものの、遺跡の周囲を地元民によって包囲されて脱出できなくなった彼らは、やがて遺跡に隠された『恐るべき脅威』の秘密に気付くのだった…


 マヤの遺跡に探検に訪れた若者達が『謎の寄生植物』に襲われるという、モンスターパニックホラー映画。

 シンプル・プラン」のスコット・B・スミスの原作によるホラー小説の映画化作品だそうですが、残念ながら原作は読んでないので原作との比較は出来ませんが、なかなかに面白い作品だと思います。

 一応、モンスターホラーという区分にしていますが、内容的には『武装した原住民』や『謎の寄生植物』といった極限環境に追い詰められた主人公達の姿を描いた『サバイバルホラー』的な色の強い作品ですね。

 追い詰められた主人公達の緊張感の描き方も上手いですし、遺跡の得体の知れない不気味さも良く出ていると思います。

 負傷した仲間の脚を切断するシーンとかエグいシーンもそこそこあったり、寄生植物のツタが肌の下をウネウネと這い回るシーンなんかもなかなかに気持悪くて、そこそこに見せ場もあるのでサバイバルホラーとしての完成度は高いと思うのですが…

 ただ純粋にホラー映画としては面白いんですが、モンスターホラーとして見ると『ちょっと物足りない部分もあるかな?』ってのも正直なところ。

 「パラサイト・バイティング」なんて大層なタイトルが付いてる割に、とにかく『寄生植物』の出番が意外なほどに少ない。
 『寄生植物』による襲撃シーンとかは殆ど無くて、むしろ主人公達が置かれた『極限環境』の一つとして描かれているような扱いなので、そういったモンスターホラー的なノリを期待して見ると、ちょっと肩透かしを食らうかもしれません。

 また、中途半端にモンスターホラー的な要素を描こうとした為か、主人公達の心理状況などの描き込みが甘くなっていると思われる部分もあり、『もう少し、どちらかにネタを絞って撮った方が面白くなったんじゃないかな?』という気もしました。

 あと、とりあえず内容的に見てもサバイバルホラーがメインなんだから、「パラサイト・バインディング」なんて『いかにもモンスターホラー』的なタイトルを付けずに、原題どおり「THE RUINS」のままで良かったんじゃ無いかなぁ?
 (タイトルのせいで、第一印象が『凄く安っぽい感じ』になっちゃってるし…)


 総評としましては、若干の不満点は残るものの『サバイバルホラー映画』としては、なかなかに良く出来た『佳作レベルのタイトル』だと思います。

 『極限環境ものの作品』が好きな人とか『モンスターホラー映画』が好きな人であれば、ごく普通に楽しむ事の出来るレベルの作品だと思うので、そういうジャンルが好きであればチェックしておくべき作品だと言えるでしょう。

 タイトルの安っぽさから『いかにもD級ぐらいの微妙な映画』の印象を受けますが、内容的には『B級でも完成度が高いレベル』の割とオススメの一本なので気になるなら観ておいて損は無いですよ。