NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「実験室KR-13」(55点/サスペンス)

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■■■「実験室KR-13」■■■
(55点/サスペンス)

 とある医学の実験に協力する為に、真っ白い壁で囲まれた実験室に4人の男女が集められる。

 彼らはそこで大量の奇妙なアンケートを行われたうえで、人間の『精神的限界』を試される実験を行うとの説明を受けるが、説明の最中に唐突に担当医師が被験者の一人を拳銃で射殺し部屋に鍵をかけて出て行ってしまう。

 閉じ込められた彼らはパニックへと陥るが、密室へと閉じ込められた彼らの元に『問題』が出題されて、その問題に答えられない人間が一人づつ殺されていくという恐るべき条件が提示されるが…

 なんとかして密室からの脱出経路を探そうとする彼らだったが、やがて『問題』への回答のタイムリミットが迫って来た事で、彼らの間で『仲間を出し抜いて自分だけ生き残ろうとする腹の探り合い』が始まるのだった。


 政府による『マインドコントロール実験』の恐怖を描いた、監禁型シチュエーションスリラー映画。

 『4人の男女がとある企業の治験に参加したと思ったら、実はそこは政府極秘のマインドコントロールの実験場だった…』といった感じのお話です。

 『実験の真の目的は何なのか?』みたいな感じの謎解きがメインのストーリーなのですが、主役である『4人の被験者』以外に『実験を観察する新任の担当者』というもう一人の主役が当てられており、シチュエーションスリラーの体裁を取りつつも犠牲者の主観以外にも『全体を傍観出来る位置』から物語を見れるってアイデアはなかなか面白いですね。
 (例えるならば、「CUBE」を管理者の視点から観るような印象。)

 それでいながらキチンと謎は提示されており、先の読めないストーリー展開になっているのも上手い手法だと思います。

 ただ設定は面白いのですが、肝心のストーリーの方は『どうなんだ?』って感じの内容なのが惜しい。

 謎の提示部分は面白いのですが、謎解きの要素に意外性が殆ど無くてストーリーが『全体的に物凄く淡々としている』ので、どうにも盛り上がりに欠けます。

 実験の『観察者』の視点が入っているため、最初からある程度の手がかりが与えられているので『被験者』の感じる緊張感が感じられずに、謎の回答を提示されても『ふーん、そうなんだ?』って感じで終わってしまうのが惜しいです。

 もう一捻り『視聴者の裏をかくような展開』とか『カタルシスのある展開』があっても良かったんじゃないかなぁ?


 総評としましては、全体的な完成度は低くないサスペンス映画だと思うのですが、『サスペンス映画を大好きな人間が観て楽しめるか?』と言われると、ちょっと微妙な印象を抱く作品かも?

 なんと言うか、そこそこ面白いんだけど『見終わった後にコレといった感慨が残らない』というか『微妙にスッキリとしない気分が残ってしまう』というか…
 どうにも、いまひとつ『どういった層に勧めたら良いのか判然としない映画』って感じです。

 作品の出来自体は悪くないと思うので、シチュエーションスリラー系の作品が好きな人であれば、気になるならば試しに観ておいても良いってレベルの一本だとは思いますよ。