（５５点／サスペンス）
『２チームに分かれて森の中でエアガンでペイント弾を撃ち合う』というサバイバルゲームの大会「レッドボール・ウッズ」に参加した若者たち。
ルールにのっとって深い森の中で対戦を開始した彼らだったが、対戦の最中に仲間の一人が何者かによって実弾で撃ち殺されるという事件が発生する。
森の中に本物の殺人鬼が潜んでいると知った彼らは、なんとかしてその場から脱出しようとするが、見えない敵の襲撃の恐怖から疑心暗鬼に駆られ、やがて敵チームのメンバーや味方の行動さえも疑うようになっていくのだった…
サバイバルゲームの参加者たちが、森の中で本物の銃を持った殺人鬼に付け狙われるという、スペイン製のサバイバルサスペンス映画。
サバイバルゲームの参加者が殺人鬼に狙われるって設定はなかなか面白いですし、作品のテンポや雰囲気も良くて、なかなか良く出来た作品だと思います。
ただ、中盤までの話の盛り上げ方や設定そのものは割と面白いのですが、終盤のストーリーがちょっとありがちで、オチが陳腐なのは残念な部分かも？
『殺人鬼の正体』やらのお話の設定に、もう一捻りあればもっと面白くなったと思うので、勿体無いです。
サスペンス映画の割には殺人鬼の殺し方とかもなかなか凝っており、サーマルカメラを通した殺害シーンの映像の白黒映像なんかは、普通に殺害現場をカラーで見せられるよりもかえって不気味さが感じられて良い感じです。
そこまでエグい映像がある訳でも無いのにPG-12指定になっているのも、妙に納得しました。
他に気になった点としては、主要登場人物や殺人鬼の設定も含めて全体的に『キャラクターの個性が弱い』って部分かな？
特にメインのキャラが余りに無個性なので、物語の終盤まで誰が主人公なんだか判然とせずに、今ひとつ話しに入れ込めませんでした。
この辺が、上記の『ありがちな印象』に拍車をかけている部分があると思うので、その辺でもう少し個性を持たせるような作りになってれば、更に良かったのではないかと…
総評としましては、『設定はベタな感じ』ながらも全体的にそこそこ良く出来た、『佳作レベルのサバイバルサスペンス映画』だと思います。
「バトルロワイアル」とか、その手のサバイバルものの作品が好きであれば、そこそこ楽しめる一本だと思いますので、その手のジャンルが好きな人ならば観ておいても損はしないレベルの作品でしょう。
全体的に『惜しい』部分が多い作品なので、『もう少し突き抜けた部分があればなぁ…』と、ちょっと勿体無さを感じる映画でした。
