■■■「女子高生ミステリー・ナイト」■■■
(65点/サスペンス)
今から17年前。
ダグラス寮制寄宿学校という全寮制の寄宿学校の寮の一室で、ジェーンと言う一人の少女が自殺が首吊り自殺を遂げた。
それから17年後、彼女の親友であり死体の第一発見者ともなったコートニーは教師となり、かつて自分が卒業した高校で教鞭をとる事となる。
教師と寮長を兼任する事となった彼女は、奇しくもかつて自分が過ごし親友が自殺を遂げた寮の管理を行う事となるが、彼女はその寮の一室で17年前に死んだ筈のジェーンに瓜二つのローレルと名乗る少女と出会う。
ローレルの出現に驚きを隠せない彼女だったが、やがてローレルが『ジェーンしか知らない筈の言葉』を知っていたりと言った奇妙な現象が起こり始めた事から、徐々に心の落ち着きを失っていくのだった…
ある女性教師が巻き込まれる『17年前の親友の自殺に端を発する一連の不可解な事件』の謎を描いた、オカルト風味のサスペンス映画。
アルバトロスによる、いわゆる『女子高生~~』シリーズの新作ですね。
(って言っても、配給会社が邦題で勝手にシリーズ化してるだけで、実際にはシリーズでも何でも無いのですが…)
こんな『いかがわしい感じ』のタイトルが付いていますが内容に関してはいたってマトモで、むしろ『なかなか良く出来ている』部類に入る良作ミステリーだと思います。
(つか、あいかわらずアルバトロスはこういった『全く注目されて無い良作』を持ってくるのが上手いですなぁ。)
お話としては『ある女性が高校の教師として赴任したところ、17年前に自殺した親友にそっくりの少女に出会う』と言った感じのお話で、ちょっとオカルトっぽいノリの作品なのですが、キチンとミステリーとしても無理が無くお話が成立しているという組み立てが上手いです。
序盤は、ちょっとだけ冗長で退屈な印象がありますが、中盤辺りで『主人公と親友の過去のエピソード』が明かされだした辺りから『怪しげな雰囲気』が漂い始め、終盤はホントに全く先が読めない展開になるという手法はなかなかのもの。
『謎を解く手がかり』の提示の仕方や『フェイクの情報』の散りばめ方などが上手くて、先の展開を予測するのが楽しいですし、オチに関しても無茶ぶりな設定の割には『無理の無いスッキリとした終わり方』になっており、非常にお手本的なミステリー作品と言えるでしょう。
総評としましては、最近のサスペンス映画のような尖った要素は無いものの、非常に丁寧に作られた『良作のサスペンス映画』と言ってしまって良いレベルの作品でしょう。
謎解きに奇をてらった部分とかが余り無く、ソリッドサスペンス映画みたいな意表を突くような展開もそんなに無いですし、ピリピリした緊張感とかも殆ど無いためサスペンスとしてはそれほど特出した部分は無い作品ですが、作品の組み立てやストーリーテリングの上手さは観る価値があると思いますので、2時間ドラマ的な『オーソドックスなミステリー作品』が好きな人ならば観ておいても損は無い一本だと思いますよ。
ちなみに、女子高生なんてタイトルについてますが、ヒロインは30代の女性教師なので『女子高生探偵』みたいなノリを期待してる人は要注意です。(笑)