NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「アイス・オブ・ザ・デッド」(55点/モンスター)

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■■■「アイス・オブ・ザ・デッド」■■■
(55点/モンスター)

 シエラ・ネバダ山脈の雪山のペンションへと、6人の男女が休暇を利用して訪れる。
 格安物件であるそのペンションは、1800年代に探検隊が遭難し、仲間どうして殺しあって死体を食い合ったという不気味な伝説の残る場所だった

 ウワサを気に留めずに休暇を楽しむ彼らだったが、初日の夜にペンションの管理人が雪に埋もれて死んでいるのを発見。

 警察に通報し救助を呼ぶ為に下山しようとするが、おりからの吹雪と悪天候によってペンションから出ることが出来なくなってしまう。

 更に、雪の中に埋もれていたはずの管理人の死体が、いつの間にか忽然と消えている事に気付いた彼らは、外界から隔絶されたペンションの中で徐々に不安を募らせて行くか…


 雪山のペンションに閉じ込められた男女が悪霊の呪いによって精神的に追い詰められていくという、オカルトホラー映画。

 タイトルには「~~オブ・ザ・デッド」とか付いてて、パッケージも『いかにもゾンビ映画』といった感じですが、内容の方はゾンビものとは全く関係ありません。

 むしろ、山小屋版「悪魔の棲む家」とか「シャイニング」という方が、テイスト的には近い感じのお話かな?

 お話的には人間ドラマに重点が置かれてるような内容で、登場人物たちのキャラクターの描き込みや、青春ドラマ風の『ウィットに富んだやりとり』とかのドラマ要素がなかなか良く出来ていて秀逸です。

 ただ、登場人物の一人が『悪霊のせいで精神的に追い詰められていく』って感じの展開なのですが、この精神的に追い詰められる部分の表現があまり上手く無くて、役者の演技が今ひとつなせいもあって、イマイチ盛り上がりに欠ける印象。

 構成的にもかなり終盤まで大きな事件が起こらずに、なかなか話が盛り上がらないのですが、ドラマのパートが面白いのでそこまで退屈はしません。

 というか、むしろホラーの要素よりもドラマ部分の方が良く出来ていて、なんか本末転倒な感じに…

 全体的に『怖さ』があまり感じられずに、ラストのオチの付け方とかも今ひとつスッキリしない感じで、ドラマとしては面白かったんだけどホラーとしては今ひとつという、何とも釈然としない気持ちを抱いてしまうような作品でした。

 もうちょっと「シャイニング」とかみたいに、登場人物が狂気に捕らわれていく描写が丁寧に描かれてれば、もっとホラーとしても面白い作品になったと思うんですけどねぇ…



 総評としましては、『ホラーとして評価すると今ひとつ』だけど純粋に映画としてみると『そこそこ面白かった』という、なんだか良く分からない感想に…

 お話自体がツマんない訳では無いので、観ても後悔はしないレベルの作品ではあると思うのですが、純粋に怖い映画を観たい場合は『どうだろう?』って感じの作品かなぁ?

 パッケージに騙されて『ゾンビ物』を期待してみると、完璧に肩透かしを食らわされる内容ですので、ソッチ方面を期待してる人は間違って手に取らないよう要注意ですよ。