NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「エスター」(60点/サスペンス)

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■■■「エスター」■■■
(60点/サスペンス)

 3人目の娘を死産して悲嘆にくれるケイトとジョンの夫妻は、死んだ娘の代わりに養子を迎えることを決意。

 孤児院で出会った『火事で家族を亡くした』という利発な少女・エスターを気に入った夫妻は彼女を娘として引き取る事となる。

 彼女は夫妻の望みどおりに10歳の少女とは思えないような才能や利発さを発揮するが、彼女が訪れてから彼女の周りでは彼女をイジめていた少女が大怪我をしたりといった、奇妙なトラブルが発生するようになる。

 妻のケイトは、エスターが我々には分からないような異常性を秘めているのではないかと疑うようになり、夫のジョンへと相談を持ちかけるが…


 ハリウッドで人気タイトルの製作を手がけるジョエル・シルバーの製作による、残虐な子供を題材としたサスペンスホラー映画。

 サスペンス映画界では割と定期的に扱われる『実は狡猾で残虐な子供が居たとしたら…』というネタのサスペンス映画ですね。
 マコーレー・カルキン主演の「危険な遊び」とかで割と有名な感じのジャンルですが、本作もノリとしてはだいたい良く似た感じのお話です。

 個人的に根本的な設定として、既に2人も子供が居るのに『末っ子よりも大きな娘をわざわざ養子に引き取るもんだろうか?』って気がするのですが、その部分にツッコミだすとお話が成り立たなくなるので、あまり気にしない事にします。

 この手の作品というと、子供の『何を考えているのか分からない残虐性』というのにスポットを当てるものなのですが、本作に関してはエスターが思いっきり残虐性と打算を持ちまくりで、どうみても最初から『頭のおかしい殺人鬼』にしか見えません。

 行動も最初から計算ずくっぽいところがあって、この手の作品ではお約束の『子供ならではの不気味さ』とか『次の行動が読めない怖さ』とかが感じられないのは、正直言って残念なところ。
 (まあ、コレには実は秘密がある事が後で明かされるのですが…)

 ただ不気味さや怖さはあまり無いもののストーリーはそこそこ良く出来てて、エスターの秘密が明かされるプロセスとか、ラストの展開はなかなか意外性があって面白かったです。

 ただ、もうちょっとエスター」というキャラクターを上手く立たせる事が出来ればもっと面白い作品になったと思うので、その辺で『中途半端な印象』が残ってしまったのはちょっと残念なところかなぁ?


 総評としましては、『サスペンスとしての出来は悪くない作品』なのですが『残虐な子供もの』としては『物足りなさが残る作品』ってのが正直なところでしょうか?

 お話の構成としては面白いんだけど、この手のジャンル特有の『緊張感』とか『不気味さ』とかに期待してると、ちょっと肩透かしを食らうかもしれません。

 まあ、サスペンスものとしての及第点は満たしており、過剰な期待をしなければ普通に楽しめるレベルの作品ではあると言えるので、その手の作品が好きならばチェックしておいても良いんじゃないでしょうか?