NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「人間狩り」(45点/サスペンス)

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■■■「人間狩り」■■■
(45点/サスペンス)

 戦場からの帰還兵のジョンは、休暇を利用して4人の仲間たちと一緒に昔の狩場にハンティングに出かける事となる。

 狩場の『ならず者たち』のたむろする異様な雰囲気に気おされながらも狩りを始める彼らだったが、そこでこの森に古くから伝わる『切り裂き魔(リッパー)』と呼ばれる1トンを超える『巨大イノシシ』のウワサを聞かされる。

 ウワサに半信半疑になりつつも狩りを続けていたところ、たまたま仕留めたイノシシの胃の中から『人間の手』が出てきた事から、彼らはこの森に何かキナ臭い秘密があるのでは無いかと感じるようになるのだった…


 辺鄙(へんぴ)な森へとハンティングに出かけた若者たちが、地元のならず者たちに関わった事から思いも寄らぬトラブルに巻き込まれるという、サスペンスホラー映画。

 『巨大イノシシ』とかの設定からして、てっきり生物パニック映画かと思ってたら、実はサスペンス風味のバイオレンスアクション映画でした。

 過去にも「レイザーバック」という『巨大イノシシ』と戦う映画がありましたが、あの映画も半分ぐらいサスペンス映画みたいな内容だったので、『巨大イノシシ』ものというとサスペンス映画になりやすい傾向でもあるんですかねぇ?

 ちなみに、イノシシというと日本じゃあまり猛獣って雰囲気はありませんが、雑食で鋭い牙もありますし実際に『1トンもの体重のイノシシ』が居たら十分に猛獣の類ですね。

 お話に関しては、本作は『巨大イノシシ』は題材にこそ使ってますが、殆ど味付け程度って感じで、どちらかというとサスペンス要素が重視の内容です。

 若者のグループが地元のならず者たちとトラブルを起こすんだけど、その際に『とんでもないもの』を発見してしまって…と言った感じのお話で、『雰囲気作り』の良さや『ストーリーの先の読め無さ』なんかは、なかなかに良い感じ。

 ただ序盤の展開が矢鱈と冗長で、お話が前に進むまでに『ダラダラとした展開が50分ぐらい延々と続く』のは、終盤への伏線になってるとは言っても流石にちょっと辛いかも?

 肝心の『巨大イノシシ』に関してはホントに殆ど出番が無くて、ラストの10分程度でようやく出現する程度の扱い。

 CG全盛の今時の作品にしては珍しく、せっかく気合を入れて巨大な『着ぐるみ(というかハリボテ)』を作ってるっぽいのに、見せ場が全然ないのは勿体無いですなぁ。

 終盤の展開はテンポが良くて良いのですが序盤がダラダラしすぎの感があるので、序盤でも『巨大イノシシ』とかの出てくる見せ場でもあれば、もっとメリハリがあって面白い作品になったと思うんですけどね…


 総評としましては、アイデアとしてはなかなか面白い設定の『異色サスペンス映画』って感じなんだけど、全体的にはちょっと物足りなさが残る作品かなぁ?

 『サスペンスの意外性』と『バイオレンス』と『巨大生物もの』と色々とアイデアを詰め込んで、結果としてどれも『悪くない出来』には仕上がっているものの、同時に『どれもが中途半端』になってしまっている印象ですね。

 もうちょっと一つのジャンルとして突き抜けた部分があれば、佳作レベルの作品になったんじゃないかと思うので、そういう意味では勿体無い作品でした。

 純粋に『サスペンス』や『巨大生物もの』が好きな人には、どちらにも素直に勧め辛い感じの作品ですが、ちょっと毛色の違ったサスペンス映画が好きな人ならば試しに観ておいても良いレベルかもしれません。