NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ファイナル・デッドサーキット」(60点/オカルトスリラー)

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■■■「ファイナル・デッドサーキット」■■■
(60点/オカルトスリラー)

 大学生のニックは、ある日、友人や恋人と一緒にサーキット場にレースを見物に来るが、そこで車が次々とクラッシュする大事故が発生し『観客を含めた大量の死人が出る』という予知夢を見る。

 それが現実に起こる事だと確信した彼は、周囲の数名の観客と一緒に事故の起こる直前にサーキットから逃げ出すが、果たして彼の予知どおりにサーキットでは50人以上の死者が出るという大事故が発生。

 なんとか九死に一生を得たと思われた彼らだったが、後日に彼らと一緒にサーキットから脱出した人々が次々と『謎の事故死』を遂げているというという事をニュースで知り、『死の運命』が自分達を見逃していないのではないか…と不安を抱くようになっていくのだった…


 『死の運命』の恐怖を描いた「ファイナルデスティネーション」から繋がる『ファイナルデッド~』シリーズの最新作に当たるオカルトスリラー映画。

 このシリーズも第4弾となりますが、1作目と3作目がジェームズ・ウォンが監督しているのに対して、本作は2作目の監督であるデヴィッド・R・エリスが監督した作品となっており、1・3作目と2・4作目で監督が異なるという、なかなか珍しい構成となっているシリーズですね。

 どちらの監督の作品も総じて好きなのですが、流石にシリーズ4作目ともなるとちょっとネタ切れ感が強くなってしまってるかなぁ…ってのは正直なところですね。

 まるで「ピタゴラスイッチ」的な死の連鎖のネタは、『死ぬプロセス』も『回避のプロセス』も緊張感があって面白いんですが、流石にネタがマンネリで少し飽きてきたかも?

 ただ、マンネリとは言いつつも『どの道具で殺すか?』の演出にフェイクの仕込みとかが工夫されてて、なかなか『死ぬシーンの先読みが出来なくなってる』のは、作り方が上手く作ってるなと感じました。
 (同監督の作った2作目は『助かった…と思ったらやっぱり殺されました』ってパターンの繰り返しで、途中でちょっと飽きてしまったので…)

 あと本作での最大の不満は、冒頭の『大事故』のシーンが今ひとつ迫力が不足している事かなぁ?

 確かに大量の死人は出てるんだけど、地味にポツポツと数名ずつ人が死ぬので『大惨事』って印象が起こらなくて、微妙に『物足りなさ』を感じましたよ。

 まあ、逆にデッドコースター」では最初の『大事故』のシーンの迫力がありすぎて、『他の死亡シーンが全てショボく見えてしまった』という弊害があったりもしたので、最初にあまり気合を入れすぎるのも考え物かもしれませんけどね…

 ただ、本作はもともと劇場では『3D映画』として公開されてたらしいので、どのシーンも『3D映像』で見るともっと迫力があったのかも?

 普通にビデオで観る限りだと、無駄に『画面に向かって色々なものが飛んでくる演出』の多いだけの映画になってしまっていますので…

 とまあ微妙な不満点の散見される本作なのですが、ストーリーの構成なんかは1作目以降では一番面白い構成になっていたと思います。

 2箇所で同時に犠牲者が出るようなシーンがあったり、1作目のパロディっぽいシーンがあったり(『デジャブを感じるんだ』のセリフには、ちょっと笑ってしまった。)と、なかなか凝った作りで、ややネタバレになってしまいますが『大災害』が2段構えになった構成もシリーズのパターンを覆す感じで、なかなか良かったと思います。

 しかし、それだけに『その辺の構成や設定を一切無視したラストシーン』は、ちょっと納得行かなかったかなぁ?(あのラストは、ちょっと蛇足的だと思う…)


 総評としましては、ややマンネリ感はあるものの『シリーズものの一本』としては悪くないレベルなので『そこそこ良く出来た定番のオカルトサスペンス映画』って感じですかね?

 既に定番化したシリーズなので、『シリーズが好きであればごく普通に楽しめる』ってレベルの作品だとは思います。
 逆にシリーズを観た事が無い人は、本作だけ見ても『シリーズのお約束』とかが分かりづらいので、観るなら1作目の「ファイナル・デスティネーション」からどうぞ。

 しかし本作も、4作目にして流石に既にネタが出尽くした感はあるので、次回作を作るとしたらよっぽど捻ったアイデアを入れるか、シリーズを大きく転換させるような要素でも無いと辛いかもしれませんねぇ。

 スラッシャーホラーみたいに、登場するだけでお話が盛り上がるような『人気のある殺人鬼』とかが居ないのが、本シリーズの特色であり最大の弱点でもあるのかも…