■■■「ジュラシック・プレデター」■■■
(55点/モンスター)
地球温暖化の影響で崩壊した氷河から、太古の怪物であるワイバーン(飛竜)が復活。
ワイバーンはアラスカ北部のビーバー・ミルズという山間の小さな村の夏至祭りの会場を襲撃し、会場は大パニックに陥り村民の多くがワイバーンの犠牲となってしまう。
ワイバーンの襲撃により通信用のアンテナが破壊され外部との連絡が取れなくなった彼らは、建物の奥に立てこもって繰り返される襲撃をなんとかやり過ごすが、森の中でワイバーンの巣を発見したトラック運転手のジェイクは、怪物を罠にかけて撃退する事が出来無いかと計画を練り始めるのだった…
アラスカの氷河から蘇った神話の怪物・ワイバーンが寂村の人々を襲うという、モンスターパニック映画。
別に『ジュラシック~』と言ったって、ワイバーンが恐竜時代に地球に生存していた訳じゃないだろうに、このタイトルはおかしい気がするのですが、まあアルバトロス系の配給作品ではタイトルやパッケージと内容が一致しないのは良くある事なので、細かい事は気にしないようにします。
というか、今回は『パッケージに描かれているモンスター』と『映画に登場するモンスター』が殆ど同じ姿をしているので、割と元の映画に忠実なパッケージと言えるかも…
映画の内容の方は、良くも悪くも『物凄くオーソドックス』なモンスターパニック映画って感じの作品ですね。
いかにもB級な低予算映画なのですが、モンスターの出現の『謎解きプロセス』とか、序盤の山場である『大規模な襲撃シーン』とか、B級モンスター映画のお手本的な構成でなかなか上手く作られております。
登場人物のキャラ付けとかもダレない程度に作品に上手く組み込まれていて、基本的に『ソツの無い作り』と言っても良いでしょう。
モンスターはフルCGで作られているのですが、CGの合成レベルは割と高くて映像としての違和感は無いレベル。
モンスターデザインも『いかにもゲームとかに登場しそうなドラゴン』って感じのオーソドックスなデザインではあるものの、なかなか迫力のあるキャラクターになっていると思います。
ただ、CG故に人間との絡みの部分が弱くて、若干の物足りなさを感じるのは『予算相応の内容』とは言え、ちょっと惜しいところかな…
あと、コレもまた予算の問題なのでしょうが、モンスターが襲撃する村が小さな村なので、襲撃シーンや戦闘シーンが小じんまりとしすぎてて迫力不足なのは難点でしょう。
ラストの展開も、ちょっとご都合主義的すぎて『そんなに思い通りに事が運ぶか?』って感じだったので、もう一捻り欲しかったかも?
プロットや脚本や演出は悪くないと思うので、ぶっちゃけ『もし予算がこの倍あったら十分に佳作レベルの作品になっていた』と思うので、ちょっと残念なところですね。
総評としましては、佳作までは行かないものの『小粒ながらも意外に良く出来てる』って感じの『そこそこ良く出来たモンスター映画』って感じの作品です。
アルバトロス系に良くある『普通に面白い』ってレベルの作品だと言えば、その手の作品が好きな人ならばどんな感じか理解して貰えるかも?
モンスター映画が好きな人であれば普通に楽しめる内容だと思いますので、その手のジャンルが好きならばチェックしておいても損は無い作品でしょう。
このところ『巨大生物もの』は不作なので、個人的にはそこそこ楽しめた一本でした。