NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「レディオ・オブ・ザ・デッド」(60点/モンスター:結構オススメ)

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■■■「レディオ・オブ・ザ・デッド」■■■
(60点/モンスター:結構オススメ)

 人気ラジオ番組のパーソナリティーであるローガンは、今日もいつものように相方のギルと共にトーク番組の司会を進行するが、番組の最中にリスナーから『バスケット試合の行われているスタジアムが何者かに攻撃を受けている』という電話を受け、スタジアムで爆弾テロが行われて街中にパニックが広がっている事を知る。

 情報を収集するうちに、テロで使用された爆弾が何らかの生物兵器で『感染者がゾンビのような状態になり暴徒と化して暴れまわっている』事を知るが、それらの事実を政府は一向に報道しようとしない。

 彼らはTVを見れない人々に真実を知らせ危険から救うために、危険を承知でスタジオへと立てこもってラジオ放送を続ける事を決意するが…



 人々がゾンビ化するウィルスのばらまかれた世界で、とあるラジオのジャーナリストが経験する混乱の一夜を描いたモンスターパニック映画。

 全然聞いたことが無いような作品や監督なので全く期待せずに視聴してみたのですが、なかなかどうしてコレが意外な掘り出し物でした。

 『ラジオ番組』で街中がゾンビ化していく感染の被害を実況放送しようという試みはなかなか面白いですし、ラジオですので投稿は『リスナーからの電話』のみのシーンが多く当然ながら映像は無いのですが、この手法がなかなかリアリティがあって、且つ低予算で映画が作れるという『アイデアの勝利』的な上手い手法ではないかと…

 登場人物の心理描写とかも丁寧で上手いですし、序盤~中盤の緊迫感ある展開はなかなかに秀逸です。

 ただ終盤は、単なる『実況放送』ではなく『意外な方向』へとお話が進んでいくのですが、この部分は賛否両論ありそうな内容かなぁ…

 お話の展開の仕方やオチの付け方は上手いと思うのですが、ちょっとご都合主義的すぎる印象も受けたので、いっそ最後までドキュメンタリータッチでお話を続けてくれた方が面白い作品になったかも?

 個人的に、敢えて危険に乗り込んでいった『主人公の相方』が殆ど活躍する機会が無かったのは残念でした。

 ちなみに登場するゾンビは、どちらかというと『普通の人間が凶暴化しているだけ』という感じで、雰囲気的には28日後....」とかのノリに近い感じですね。

 襲撃シーンもそこそこありますがあまり迫力は無く、『ゾンビが普通の人間にしか見えない』事もあいまって、この辺りはちょっと物足りなさを感じました。

 もうちょっと予算をかけてシッカリとパニックシーンが描かれてれば、かなりの良作になったと思うので、その辺は低予算ゆえの残念な部分と言えるでしょう。


 総評としましては、低予算ながらもアイデアや着眼点が良くて、なかなかに良く出来た『佳作レベルのモンスターパニック映画』と言えるでしょう。

 内容的には絶賛する程のレベルではないのですが、ストーリーテリングや構成の上手さやら部分的には『観るべき部分の多い作品』ですね。

 他にはあまり無いタイプの『個性的なゾンビ映画として、ゾンビ好きなら一見の価値はある作品だと思うので、その手の作品が好きな人であれば結構オススメの一本だと言えるでしょう。