■■■「REC2/レック2」■■■
(55点/モンスター)
アパートで発生した大規模なバイオハザードを調査するために、特殊部隊のロッソは仲間たちや、生物学者のオーウェン博士と共にアパートへと潜入調査を行う事となる。
ヘルメットに小型カメラを装備して記録を行いながら現場の調査を行う彼らだったが、最上階の調査中に階下から人間の声が聞こえた事から、まだ生存者が残っているのではないかと考え、アパート内の捜索を開始する。
しかし彼らを待ち受けていたのは、ウィルスのせいで凶暴化した感染者の群れと、予想もしない驚くべき『真実』だった。
いわゆるゾンビ物の『カメラ主観視点映画(POV)』として製作された、スペイン製のモンスターホラー映画「REC」の第2弾に当たる作品。
前作は『TVの取材班としてアパートに訪れたカメラマンがゾンビの襲撃を受ける』という設定の『ゾンビ版「ブレアウィッチプロジェクト」』みたいな感じのお話でしたが、2作目では視点が『アパートへ突入した特殊部隊員のヘルメットに装着された小型カメラ』となっており、随分とイメージが変わっております。
カメラ映像というよりは単なる『主観視点』でお話が進むため、あんまりPOVって印象はありません。
つか、続編って時点で既に『リアリティ』とか無いので、もうPOVという設定にこだわる必要は無かったのでは無いかと…
何よりも変わってしまったのは『映画の基本設定』そのもので、前作では『ウィルス感染もののゾンビ映画』みたいな感じだったのですが、本作では『悪魔』やら『教皇庁』やらが登場して全く別のノリ『オカルト映画』みたいな展開に…
あまりの思い切った方向転換っぷりに、流石にちょっと面食らってしまいましたよ。
つか、前作の『パニック映画』のノリを期待して観ると、ちょっと期待外れな感じになってしまうかも?
映画そのものは、モンスターの襲撃シーンなんかもなかなか迫力がありますし、展開もスピーディですし、途中で『撮影者の視点が切り替わる』という演出もPOVとしてはなかなか面白いです。
ラストの展開は流石に『ちょっと無理がありすぎだろ?』という気もしますが、その辺を差し引いても全体的に割と良く出来た作品になっていると思うのですが…
やっぱ、最大の難点は『この話を「REC」の続編でやる必要があったのか?』って一点に尽きるでしょうなぁ。
総評としましては、「REC」の続編という事を気にしなければ、そこそこ完成度の『割と良く出来たモンスターホラー映画』だと思います。
ただ「REC」が好きだった人が前作のノリを期待して本作を観た場合は、『なんじゃコレ?』って感じになってしまう可能性が高いので要注意。
(更に『前作を観てないと話がちょっと分かり辛い』ので、本作のみを観るってのも薦めづらいのが厄介な点か?)
とりあえず、『オカルト風味のモンスターホラー映画』が観たいというのであれば、なかなか面白い作品だと思いますので、最初から『前作とは別物』と割り切って観る分には、結構オススメな一本だと思いますよ。