NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ホワイトアウト」(55点/サスペンス)

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■■■「ホワイトアウト」■■■
(55点/サスペンス)

 連邦捜査官のキャリー・ステッコは、南極にある『アムンゼン・スコット基地』に『南極大陸で唯一の連邦捜査官』として駐留していた。

 しかし南極大陸で事件など起こる訳もなく、雑務をこなしながら任期が過ぎるのを待つ毎日を送りつつ、3日後の最終便で本国へと帰国の予定だった。

 だがそんな矢先に、大陸の奥地で死体らしきものが発見されたという、驚くべき情報が彼女の元へともたらされる。
 彼女は医師と共に死体の発見現場へと向かうが、発見された死体には胸にピッケルのようなもので突かれた傷があり、あきらかに他殺死体だと思われる不審な部分の多いものだった…


 南極のアムンゼン・スコット基地で発生した謎の殺人事件の顛末を描いた、クライムサスペンス映画。

 「ホワイトアウト」と言っても織田裕司がテロと戦うお話じゃなくて、アメリカの人気グラフィックノベルを元に、ホラー映画でお馴染みのダークキャッスルによって製作されたサスペンス映画の方です。

 内容に関しては、南極大陸の調査基地で殺人事件が発生する』ってのはアイデアとして面白いですし、過酷な大自然の環境の中で事件を調査するって流れはビジュアル的にもインパクトがあって良い感じなのですが…

 肝心のストーリーに関しては、割と『普通のサスペンス映画』って感じのお話かなぁ?

 確かに南極大陸での事件調査というだけあって、映像的に冒険映画的なシチュエーションがあったり、過酷な環境のお陰で『逃げ場の無い状況』が生まれたりするって設定は面白いのですが、それ以外はホントに単に『南極で起こった殺人事件を捜査するだけの映画』になってしまっているんですよね。

 元々がグラフィックノベルをベースとした作品だけあって、『絵的なインパクト』はありますし、犯人の襲撃シーンとかの『自然環境のせいで一歩間違えると死に直結する』というシチュエーションの面白さはあるのですが、犯人の動機やら事件のトリックやらに『南極ならでは』という仕掛けがある訳でも無く、やってることは通常の殺人事件の調査と何ら変わらないですので、南極であるシチュエーションを上手く活かしきれていないというか…

 大げさに前振りされてた『大嵐が到来するので早く本土に帰還しなければならない』というタイムリミットも、実際には大して意味が無かったですし、真犯人の動機に関してもちょっと手がかりが少なすぎで、どうにも消化不良の部分が多く感じました。

 お話としては、サスペンスアクション映画としてはそこそこ標準的な面白さのある作品だと思うので、もうちょっと『南極』という要素を上手く昇華出来てれば、非常に面白い作品になったと思うので、ちょっと残念なところです。

 あと、個人的にビックリしたのはアムンゼン・スコット基地」ってあんな大規模で大人数が居る場所なんですね。
 てっきり、数名が駐留してるだけの小規模な基地かと思ってたので、閉鎖環境的なサスペンス映画になるのかと思ってたのですが、小さな村ぐらいの人数が普通に暮らしててちょっとビックリしました。

 『ホントに南極基地にFBIが駐留したりしてるんだろうか?』と思ってたのですが、そりゃ、あんなに人が住んでりゃFBIの捜査官の駐留も必要になるわなぁ…


 総評としましては、全体的に驚きはあまり無いものの『そこそこ良く出来たサスペンスアクション映画』だと思います。

 南極基地というシチュエーションは面白いのですが、シチュエーションに過剰な期待をしてると『ちょっと肩透かしを食らっちゃうかも?』って感じのお話ですかね?
 むしろ『南極基地を舞台にした普通のサスペンス映画』って程度のつもりで鑑賞すると、ちょうど良い塩梅ではないでしょうか?

 とまれ冒険映画とサスペンス映画が好きな人であれば、普通に楽しめるレベルの作品ではあると思いますので、そういう感じの映画が好きであれば観ておいても損は無い一本だと思いますよ。