■■■「インプリズン -KGBが遺した罠-」■■■
(25点/サスペンス)
ロシアの郊外で、旧ソ連時代の核シェルターを改装して『フォボス』という名前のクラブを立ち上げる事となったローマは、改装中の下見として6人の男女を建物へと招待する。
クラブの構想や改装の進行状況を語り合う彼らだったが、改装前の部屋へと入り込んだメンバーの一人が誤って防衛装置を作動させてしまった事から、シェルター内に閉じ込められてしまう。
彼らはシェルターから脱出する手段を探して建物の奥へと入り込んで行くが、やがて、この建物がKGBの秘密基地で、地雷や自動機銃といった恐るべき『死の罠』が張り巡らされた場所だという事実を知る事となるのだった…
かつてのKGBの秘密基地の奧へと入り込んだ若者達が、恐るべき『死の罠』へとさらされるという、ロシア製のサバイバルサスペンス映画。
設定だけ聞いて、なんとなく「CUBE」とか「ソウ」とかみたいなお話なのかな…と思って借りてみたのですが、純粋なシチュエーションスリラーではなく『秘密基地で処刑された人間の怨念が云々~~』といったノリで「ゴースト 血のシャワー(デス・シップ)」の地下壕版みたいなお話でした。
まあ予想とジャンルが異なるとはいえ、オカルトはオカルトで面白ければそれでも良い訳ですが、肝心の映画の中身に関しても何と言うか微妙な内容。
何が微妙かって、とりあえず『テンポが悪い』のが難点かなぁ…
登場人物たちが殆ど全員が物凄く性格の悪い連中で、矢鱈と反目しあってうだうだとやってるだけで、序盤からどうにも話が前に進まないので、結果として『イライラする連中のうだうだするシーン』を延々と見せられているような印象。
ようやくお話が進んだと思いきや、何故か『脱出するためには恐怖を克服する必要があるから、自分の恐れているものを告白しあおう』とかって、意味の分からない超展開に突入するし…
サスペンス要素もオカルト要素も全体的にどうにも説明不足でお話に入り込む事が出来ずに、流石にコレは『俺の観たいのはこんな映画じゃ無いんだけど…』と思ってしまいましたよ。
しかも登場人物たちが死ぬ時は、トラップとは関係のないような『事故』によって何の面白味もない方法でサクサクと何人も殺されるので、展開的にも全く盛り上がらないですし…
あと、超ネタバレになってしまうのですが、物凄く話が佳境にさしかかった時点で、なんとなく再生時間を確認したら残り3分しかなかったので『どうやってオチをつけるんだ!?』と真剣に考えてたら…
※一応ネタバレなので隠し文字で、読みたい場合は文字をドラッグもしくは選択して反転表示してください。
*****ここよりネタバレ開始*****
なんと、ここまで引っ張ってまさかの『夢オチ』という大どんでん返し。
***** ネタバレ終了 *****
もう『なんじゃそりゃ?』としか言いようがありませんでしたよ…
設定は非常に面白そうだし、映像の雰囲気とかは悪くないんですけどねぇ。
総評としましては、設定やら何やらは結構面白そうなのに『物凄く残念な出来の作品』としか言いようが無いような作品です。
設定は魅力的なのに、キャラとストーリーでその魅力が台無しになってる感じで、流石にコレは『どうしてこうなった?』って感じ。
B級のオカルトサスペンスと割り切って観れば我慢できないレベルでは無いとは思いますが、敢えてこの作品を選ぶ理由が思いつかないのであまりオススメは出来ないかなぁ?
映像レベルや雰囲気は悪くないので、ジャンル的に珍しい『ロシア製のホラー映画』が観てみたいという人ならば、まあネタとして観ておく程度ならアリじゃないでしょうか?