NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「エクトプラズム 怨霊の棲む家」(65点/オカルト:結構オススメ)

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■■■「エクトプラズム 怨霊の棲む家」■■■
(65点/オカルト:結構オススメ)

 1987年の6月、キャンベル一家は息子の末期ガンの治療のために、病院から近いコネチカットの片田舎にある古い家へと引っ越す事となる。

 その家は格安の予算や環境は彼らの条件に合うものだったが、彼らがその家で過ごし始めてから不思議な現象が発生しはじめ、息子のマットは奇妙な幻覚に悩まされるようになる。

 最初は幻覚はガン治療の副作用による幻覚かと疑っていた彼らだったが、やがて、その屋敷に隠された恐るべき過去の秘密を知ることになるのだった…


 片田舎の古い一軒屋に引っ越した一家が遭遇する『恐るべき怪奇現象とその秘密』を描いた、幽霊屋敷もののオカルトホラー映画。

 なんでもTHE 4TH KIND フォース・カインド」の製作スタッフによる作品だそうで、最近流行りの『実話に基づいたストーリー』ってタイプのお話だそうです。

 とある一家が『いわくつきの一軒屋』に過ごしてきたところ、その家で奇妙な現象に遭遇し、やがて恐るべき真実を知ることとなる…みたいな感じのお話で、いわゆる『幽霊屋敷もの』としてはテンプレート的な展開ではありますが、この『恐るべき真実』ってのが結構エグい内容でなかなかインパクトがあります。

 ストーリーテリングも割と面白くて、『末期ガンの息子』という設定がお話やキャラクターに深みを与えており、主人公が死を間近に控えている事が心霊現象にも何となくリアリティを感じさせる作りになっているのは、なかなかに上手い見せ方ではないかと…

 ただ、『実話に基づいたストーリー』って設定の割には『ここまで映画的にお膳立てされた設定とか無いだろ?』と思ってしまう部分もあり、流石にちょっと設定に無理がある感じも…
 (まあ、どこまでが『実話に基づいている』のかは明言してないので、完全に作り話って訳でも無いのかもしれませんが…)

 お話も中盤からの展開はなかなか面白くて、一筋縄では行かない『ちょっとしたどんでん返し』のある終盤の展開や、トビー・フーパーっぽいノリを感じさせるラストの盛り上げ方は、なかなか見応えがあって非常に良かったです。(まあ、最後のオチは『どうなんだ?』って気もしなくもないけど…)

 ただ逆に、物語自体の設定がやたらと複雑な事や『末期ガンの息子を持った家族』のドラマを描く部分に時間を割いている事から、中盤までの展開がちょっと冗長で、全体的にテンポの遅さを感じてしまったのは惜しいところでしょうか…


 総評としましては、なかなかに良く出来た『幽霊屋敷もの』の佳作と言えるレベルのオカルトホラー映画だと思います。

 絶賛とまでは行かないですが、この手の作品が好きな人であれば、間違いなくチェックしておいても損は無い一本だと言えるでしょう。

 あと「エクトプラズム」とか邦題に付いていますが、本編と「エクトプラズム」はそこまで関係ありません(原題は「THE HAUNTING in CONNETICUT」(コネチカットの幽霊屋敷))ので、『心霊研究もの』みたいなノリを期待してる人は勘違いしないように要注意です。