（３５点／アクション）
1882年、イギリス海峡で大量の金を積んだ貨物船が何者かの襲撃によって沈没させられる。
警察から事件の調査を依頼されたシャーロック・ホームズはワトソンと共に調査へと向かうが、唯一の生き残りである船員は『怪物に襲われた』という奇妙な証言をし、沈没船の現場でも人間業とは思えない奇妙な痕跡を発見する。
事件の調査報告をまとめるために、いったんロンドンに戻ったホームズたちだったが、同じ頃にロンドン市街でも怪物の目撃報告がされており、彼ら自信も散歩中に太古の恐竜のような怪物に遭遇し…
名探偵のシャーロック・ホームズが恐竜やら巨大なメカを相手に戦うという、アクションミステリー映画。
先日、劇場で公開された「シャーロック・ホームズ」も『どうなんだ？』って感じのノリだったようですが、本作は恐らくそれ以上に『何じゃこりゃ？』って感じのお話です。
『シャーロック・ホームズが恐竜や巨大メカと対決する』という設定だけ聞くと派手な感じなのですが、肝心のストーリーやらの方は物凄く地味な内容で、とにかくお話があまり面白くありません。
何がツマんないって、ミステリーなのに設定やら何やらがムチャクチャでお話に無理がありすぎる事。
国家を転覆させるほどの陰謀を計画しているのに、個人が完全に私怨のみで動いているって設定も無茶な話ですし、犯人が現代でも実現不可能なオーバーテクノロジーを駆使して巨大ロボットを作っている方法も一切不明。
メカのデザインが『いかにもスチームパンク的』って感じなら、まだそれでも納得行くのですが、そういう感じでも無いですしねぇ。
コレだったら、まだ『宇宙人がオーバーテクノロジーを使って攻めて来たのを、ホームズが類稀なる頭脳で撃退する』って設定の方が素直に受け入れられるレベルかと…
他の点に関しても、ホームズのキャラクターもあまりハマり役って訳でも無いですし、周りのキャラクターにも魅力が無いですし、オチに関しても『だから何なんだ？』という感じの終わり方。
ホームズの台詞回しや、推理の方法とかは『いかにもホームズらしい感じ』が出てて良かったですが、流石にそれだけではなぁ…
と言うか、そもそもこの作品にシャーロック・ホームズという設定を使う必要があったのか？
ぶっちゃけ、劇場版の「シャーロック・ホームズ」に便乗したかっただけの作品じゃないのかと…
以前に見た「シャーロック・ホームズ vs ヴァンパイア」はなかなか良かったので、そういったノリを期待してたのですが、残念ながら期待はずれも良いところでした。
総評としましては、たとえシャーロック・ホームズが好きでも『これはどうだろう？』ってレベルの、あまりにも見所の無い『微妙としか言いようがない作品』です。
絶望的にツマんない訳では無いのですが、ぶっちゃけネタとしても弱いですし…
いっそ『ネタ』の方向に吹っ切れていてくれればまだ楽しめたのでしょうが、全体的にどうにも不満の残る内容でした。
正直言って、あまりオススメできるようなレベルの作品ではないので、『シャーロック・ホームズというタイトルの付いた映画は全て制覇したい』という極度のシャーロキアンでも無ければ、特にチェックする必要も無い作品ではないかと…
