NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「U.M.A.ライジング」(55点/モンスター)

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■■■「U.M.A.ライジング」■■■
(55点/モンスター)

 ネブラスカの片田舎にあるリライアンスという町にカーニバルの一座が興業に訪れる。

 カーニバルの最大のウリである『見世物小屋』では、巨大な体に牙と翼を持った『悪魔のような不気味な生物』が展示される事となり、保安官のルークは怪物に危険が無いのかと不安を感じるが、保安官の不安は的中。

 怪物はカーニバルの興行中にオリを破って森の中へと逃げ出してしまい、森の奧の倉庫にたむろしていた若者たちが怪物によって襲われてしまうのだった…



 カーニバルの見世物小屋に居た怪物が檻を破って逃げ出し町の住民を襲うという、モンスターパニック映画。

 田舎町の森に怪物が逃げ出すという『ありきたりな設定のモンスター映画』と言ってしまえばその通りなのですが、サーカスの大道芸人としてフリークスが登場したり、怪物の捕らわれているのが怪しげな見世物小屋だったりと、なかなかにケレン味溢れるテイストを持っているのは良いですね。

 登場人物も守銭奴のカーニバルのオーナーとか狂信的な神父とか、なかなかに面白いキャラ付けがされており、ありがちな設定の割には『独特のテイスト』を持った良い感じの作品だと言えるでしょう。

 登場するモンスターは悪魔のような外見のガーゴイル風モンスターで、邦題は「U.M.A.ライジング」とかってタイトルが付いているように、配給元はどうもガーゴイル風モンスター』の登場する作品を『U.M.A.シリーズ』というシリーズに位置づけようとしているのかな?
 しかし、何が『ライジング』なのかは不明ですが…

 ちなみに、モンスターは本編の中では『ジャージーデビル』と説明されていますが、確かにデザイン的にはソレっぽい感じですね。
 (でも『ジャージーデビル』なら、もうちょっと馬ヅラの方が良かったかも?)

 映画の内容に関しては、絶賛する程では無いですが『割とソツの無い作りの作品』と言った印象ですね。

 お話のテンポも良いですし、神父がトチ狂ってフリークス達を抹殺しようとしたりして最終的に怪物よりも人間に殺された人数のほうが多かったりするっていう、皮肉の効いたブラックな感じのストーリー展開もなかなか面白いです。

 ただ、怪物がやたらと小さい(小柄な人間ぐらいのサイズ)事と、怪物の襲撃シーンや人間との絡みが若干少なめなのとで、全体的に今ひとつ迫力に欠けるところは難点かなぁ…

 オチに関しても、ここまでブラックな設定にしたんだからラストに『もうひと捻り』が欲しかったところ。


 総評としましては、ややありがちで全体的に小粒な作品ながらも、独特の個性とテイストの感じられる『佳作レベルのB級モンスター映画』って感じの作品と言えるでしょう。

 作品自体の出来は絶賛する程では無いですが悪くは無い出来ですので、フリークショーとか見世物小屋とかのケレン味あふれるノリが好きであれば、チェックしておいても損は無いレベルの一本ではないでしょうか?

 個人的にはモンスター映画は最近は良作が少ないので、なかなかに楽しめた作品でした。